2024年鑑賞映画の個人的ワースト10ランキング:怒りと失望の作品たち

去年から映画鑑賞後、チケットを大学ノートに張り付けているのだが、それを数えたところ、今年は103本鑑賞していた。

ノートを見ながら考えた2024年上映映画俺的ワースト10は次のとおり。
なお、あくまでも個人的な感覚で決めていますので、あしからず。

【10位:さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 4Kリマスター版】

この作品は、もっと上位にしてもよかったのだが、過去作品(1978年公開)ということもあり、10位にしてみた。

本作は劇場版宇宙戦艦ヤマトの2作目。
1作目はテレビ版をつなぎ合わせたものであったが、「さらば宇宙戦艦ヤマト」は新作のオリジナルストーリー。

本作は2024年の1月に上映されたが、その前の月である2023年の12月に1作目が上映され、これも鑑賞。

私にとって両作品とも人生初の「宇宙戦艦ヤマト」。

1作目はテレビ版の総集編のような映画であるため、映画としてのクオリティはゼロ。

2作目は劇場版として作られたため、期待して観に行ったのだが、怒りを覚えるほどのダメ映画。

とにかくご都合主義のオンパレード。
ツッコミどころも満載。
しかも1作目と違い、劇場版として作られたにも関わらず、作画のクオリティが低い。

より良い作品を作ろうという製作者側の良心を全く感じさせず、ただブームに乗っただけのアニメ。

公開当時に私はメチャクチャディスったレビューを公開したところ、多くのヤマトファンに叱られてしまったが、私は生きている限り、宇宙戦艦ヤマトをバカにし続けるだろう。

【9位:マイホームヒーロー】

本作は同名の漫画が原作。
テレビドラマとセットで製作された映画。

「ドラマがヒットしたから映画化した」のではなく、映画をドラマの続編として作ることを前提として企画されている。

最近では、この手法が多いが、このやり方での映画はダメなことが多いということを認識させてくれたという意味では勉強になった作品だった。

何故ダメなことが多いかというと、テレビドラマと同時若しくは続けて作っているわけだから、ルックも、脚本もテレビドラマレベルになりがちだからだ。

その典型が「マイホームヒーロー」。

半グレである娘の恋人を父親が殺してしまい、そこから暴力組織に追われるという物語。

「衝撃のラストを劇場で目撃せよ!」という宣伝文句の割には、娘が警察官になったという設定が分かった時点で、最後のオチが丸わかり。

テレビドラマの延長の映画は二度と見ない。

【8位:52ヘルツのクジラたち】

タイトルにある「52ヘルツのクジラ」とは、仲間には聞き取れない52ヘルツの声で鳴くクジラのこと。

本作では児童虐待、毒親、トランスジェンダーを抱える人々の苦しみが描かれる。

とにかく脚本が粗くて、映画の世界に入っていけなかった。

そもそも「52ヘルツ」というのは、「仲間に聞こえない」という意味なのに、助け合いのドラマになっていて、映画のタイトルと中身に矛盾がある。

泣かせようとする努力は分かるが、全体として感動しない感動ポルノ映画だった。

【7位:ある閉ざされた雪の山荘で】

日本で最も有名なミステリー作家の一人である東野圭吾が書いた同名小説が原作。

これだけ有名な作家の小説が原作なのだが、残念なことに残念な映画だった。
原作がつまらないのか、映画化が上手くいっていないのか分からないが、とにかく突っ込みどころが多すぎ。

映画のタイトルにあるとおり、ある山荘で舞台演劇のオーディションが行われる。
そのオーディションは本当なのか、嘘なのか、山荘で発生する殺人事件を解決すること。

殺人事件を解決することと主役に抜擢することの関係が理解不能。

結局、このオーディションはオーディションではなく出演者の一部が仕組んだ狂言殺人事件だったのだが、それをやる意味が全く分からない。

「東野圭吾」の名前につられて本作を観ることがないように注意。

【6位:先生の白い嘘】

本作は同名の漫画が原作。
ストーリーやキャラクター設定、セリフのすべてが理解不能でリアリティがない。
登場人物の行動や考え方にも共感できず、映画の世界に入っていけない。

親友の婚約者にレイプされるも関係を切れない美鈴という女性教師の物語。

公開当時、美鈴を演じた奈緒が性的に過激なシーンの撮影にあたってインティマシーコーディネーターを要請したにもかかわらず、監督がそれを却下したという騒動になった。

インティマシーコーディネーターの問題を抜きにしても、内容が全く共感できず、リアリティに欠けるため、観る価値はなし。

【5位:傲慢と善良】

どうでもいいアラサー男女の恋物語。
小金持ちで婚活中の男「架(かける)」が、マッチングアプリで出会った「真美(まみ)」と付き合い、ようやく結婚することになるが、ある日突然、真美は行方不明になっていくという物語。

真美の失踪理由は、架が自分のことを「70点」と評価されていたことを架の女友達から聞かされてショックを受けたからだった。

しょうもな。

後半、殺人事件でも起こるかと思ったが、そんな展開になることもなく、グズグズした男女二人の、どうでもいい恋物語が延々と続く。

エンドロールが出た瞬間に席を立って退出。

【4位:Cloud クラウド】

監督・脚本は「CURE」の黒沢清。
主演は菅田将暉。

インチキ転売ヤーが追い詰められていく物語。
リアリティゼロ。

特にラストの銃撃戦は失笑。
一番気に食わないのが、この作品が次回の米アカデミー賞の国際長編映画賞の「日本代表」作品になっているところ。

これが日本代表!?
冗談でしょ。

黒沢清を巨匠監督扱いするのはもうやめた方がいい・・・。

【3位:ゴールド・ボーイ】

クライムサスペンス映画。
超絶な胸クソ映画。

中国のベストセラー作家・紫金陳(ズー・ジンチェン)の 「坏小孩」 (悪童たち)という小説が原作。
中国では既にドラマ化されているらしい。

本作は偶然にも殺人現場をカメラに写してしまった中学生3人が、殺人を犯した男に金を要求していく物語。
金を要求した後も、色々と殺人が行われるが、最後に真の黒幕が判明する。

オチが胸クソ。
こんなにも鑑賞後感が悪い映画は珍しい。

鑑賞直後、最初に思ったのが「さっさと上映中止にしろ」。
中学生が平気で次々と人を殺す物語なんて、中国国内だけで上映しろ。
日本で実写化なんてするな。

【2位:ラストマイル】

明らかにアマゾンをモデルとしたショッピングサイト「デイリーファースト」の巨大物流センターの荷物の中に12個の爆弾が仕掛けられるというサスペンス。

ちなみにラストマイルとは荷物を届ける過程の最後の区間のことを指すらしい。

本作は予想以上に大ヒット。
恐らくアニメを除くと、2024年の興行収入トップクラス映画。

だからこそワースト2位に選んでみた。
脚本が明らかにおかしい。

野木亜紀子が脚本を担当したのだが、本作を「神脚本!」などと絶賛されるのが本当に腹立たしい。

満島ひかりが演じた船渡エレナは、映画のラスト近くで、ようやく犯人が数年前に自殺を図った山崎佑(中村倫也)の恋人が犯人だったことに気づくわけだが、実は船渡エレナは山崎の自殺も、山崎の恋人が会社を恨んでいることも知っていた。

そんな状況の中で爆弾事件が起きているのに船渡エレナの頭に犯人の候補として山崎の恋人が思い浮かばないというのは不自然すぎる。

どこぞの映画系ユーチューバーが、「船渡エレナ共犯説」をまことしやかに唱え始め、私のレビューに対し、「お前は読解力がない」などと色々言われた。

ちゃんと船渡エレナ共犯であるオチだったら納得するが、そうなっていないから指摘しているのに、批判される筋合いはないはず。

想像するに、当初の脚本は船渡エレナが犯人か若しくは共犯にしたが、途中で改変したために辻褄が合わない物語になってしまったのではないか。

犯人も一般女性だったわけだが、やっていることが知能犯だったり、愉快犯のような複雑なことをやっているのも不自然極まりない。

また、ラストシーンで洗濯機の中に爆弾を入れて被害を防ぐところも、全く納得がいかない。

ストーリー上、宇野祥平が演じた佐野がかつて開発した「丈夫である」洗濯機という設定になっていたが、映画の前半でショッピングモールのようなところで、人が吹っ飛んでいるシーンがある。

このシーンからすると、「丈夫である」ということでは片づけられないはず。
ご都合主義もいいところ。

これが何故、大ヒットして、神脚本と呼ばれるのか。
配信が始まったら、改めて批判動画を作りたい。

【1位:聖☆おにいさん ホーリーメンズVS悪魔軍団】

この作品がダントツのワースト1位。
コメディ映画にも関わらず、一カ所も笑えなかった。

私だけが笑っていなかったのではなく、私以外の観客も最初から最後までクスリとも、ニコリともしていなかった。

小学生と思われる子供たちも何人か見かけたが、その子たちの声も一切聞こえなかった。

本作はブッダ(染谷将太)とイエス(松山ケンイチ)が、有休をとって下界でのバカンスを満喫しようと、日本の安アパートで暮らすという設定で描かれる日常コメディ。

とにかく笑えない。
一切笑えない。
コメディ映画として、これ以上に致命的なことはない。

本作は正月映画として、まだ上映しているので、怖いもの見たさで鑑賞するのもいいかもしれない。

ということで、2024年上映映画ワースト10は以上。
次回は俺的2024年お勧め映画トップ10を発表したいと思う。

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