勇気を出して幸せになろう! アドラー心理学「嫌われる勇気」

アドラー

今更ですが、ベストセラー本であり、アドラー心理学の解説本である「嫌われる勇気」を読んでみました。
アドラーは、人に嫌われる勇気を持たなくては自由に生きることはできず、結果として幸せな人生を歩むことはできないと主張します。

本書は、岸見一郎さん(哲学者)と古賀史健さん(フリーライター)の共著による「アドラー心理学」の解説本。
解説本といっても、中身は哲学者と青年の対話形式になっています。

自分自身に嫌気がさしている青年。
アドラー心理学を学べば今すぐに幸せになれるとする哲学者。
この二人の対話からアドラー心理学の本質が見えてきます。

 

原因論と目的論

選択

心理学といえば「フロイト」と「ユング」。
フロイトとユングは「原因論」。
過去の体験が原因となって精神的な傷害を負い、又は、それに近い状態に至るとする立場。

一方、アドラー心理学は原因論とは逆の「目的論」の立場から「トラウマ」を否定します。
例えば、幼少期に虐待を受けて、対人恐怖症となった人がいるとします。

フロイトとユングは対人恐怖症は「幼少期の虐待」が原因と説明します。
アドラーからすると対人恐怖症は、人と関わりたくないという「目的」が先であり、「幼少期の虐待」は言い訳に過ぎないといいます。

「幼少期の虐待」という原因が対人恐怖にするのではなく、単に人と関わって傷つくことを過剰に恐れているだけとするのがアドラー心理学。

 

承認欲求の否定

承認

アドラー心理学は、あらゆる悩みは対人関係であるとします。
もしこの世に自分しかいなくなったら、どんなに頭が悪く、身長が低く、醜くても、評価も、比較もされないので、これを理由に悩むことはありません。

しかし、現実には他者がいて、苦しむ。

そのため、アドラー心理学では、承認欲求を否定します
承認欲求は他人の期待を満たすために生きていることであり、それは自分の人生ではなく他者の人生を生きているのと同じだといいいます。

他者の人生ではなく、自分の人生を生きる。
つまり、幸せになるためには、まず「精神的な自立(自由)」が前提となります。

 

課題の分離

分離

そこで、アドラー心理学では「課題の分離」が提唱されます。
他者の自分に対する承認や評価は「他者の課題」であり、自分ではどうすることもできないこととして切り離します。

ただし、他者からの承認や期待を切り離すと、その他者から嫌われる蓋然性が高くなります。

しかし、課題の分離を行わいないと、アドラー心理学が幸せになるために前提としていた「精神的な自立」ができません。
つまり「精神的に自立」するためには、他者から嫌われる「勇気」が必要になります。

他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないコストを支払わない限り、精神的な自立はできません。

「嫌われる勇気」は「幸せになる勇気」であり、「幸せになる勇気」は「嫌われる勇気」なのです。

 

他人を評価せず感謝する

感謝

ただし、アドラー心理学は、他者への無関心を推奨しているわけではありません。
他者との「課題の分離」を行いつつ、「共同体感覚」を持つべきと指摘します。

ここでいう共同体とは、会社とか、学校というレベルではなく、この世界そのものを指します。
自分も、他者も、この世界を構成する、かけがえのない一部であることを理解します。

そのことが理解できれば、人は誰もが精神的には対等であると感じます。
対等であるため、アドラー心理学では、他者を褒めたり、叱ったりしてはならないとする。例え自分の子供であっても。

褒めることくらい良さそうなものだが、褒めるということは他者を「評価」することであり、それは対等な関係ではなく、上下の関係になります。
そのため、他者に対しては評価するのではなく、「感謝」することが重要

「ありがとう」という言葉は、評価でなく「あなたには存在価値がある」という意味が込められています。
人は自分に存在価値があると思う時、幸せになる勇気が持てるといいます。

 

今を生きる

時計

最後に、アドラー心理学では「今を生きる」ことを重要とします。

未来も過去も存在はしない。
あるのは「今」だけ。

生きるということは「今」の連続。
未来にも、過去にも、とらわれず、憂えることなく、今に集中してい生きていく。

「嫌われる勇気」を持って、他者との「課題の分離」を行い、「共同体感覚」を感じて、人に「感謝」し、「今を生きる」。

実践は容易ではありませんが、至極、説得力があります。
実際、他者の評価が気になって不安になったとき、「それは他者の課題」と心の中でつぶやくと、少しだけ気が楽になるから不思議です。

本書に出てくる青年と同じく、人生に苦しんでいる人は一読の価値有り。
おすすめです。

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