映画『アノーラ』ネタバレ感想:2時間半は長すぎ?イゴールだけが救いだった話

映画「アノーラ」を公開から二日目に鑑賞。
ほぼCMのとおりの内容であった。

基本的にはコメディ。
上映時間は2時間半と長め。

開始から1時間は町の底辺ストリップダンサーであるアニーこと「アノーラ」が、ロシアの大富豪でボンクラな若者「イヴァン」と結婚するまでが描かれる。

後半の1時間半は、勝手な結婚にイヴァン両親が激怒し、無理やり離婚するまでが描かれる。

同映画の公式サイトにもあるとおり、「アンチ・シンデレラストーリー」。

正直、全然面白くなかった。
2時間ならまだしも、2時間半は長すぎ。

「イヴァン」という男がクズ中のクズで、観ていて気分が悪くなる。
全く働かず、テレビゲームばかりで、仕舞には両親のいいなりに離婚をする「イヴァン」が一番の悪だが、こんな男と結婚するアノーラもアホ。

主人公がアホだと、映画に入っていけない。

ただ、映画の後半、「イヴァン」の用心棒的な役割であった「イゴール」が、実は心優しき青年であったことが分かっていくところは好感がもてた。

ちなみに、アカデミー賞の助演男優賞には「イヴァン」ではなく、イゴール役を演じた「ユーラ・ボリゾフ」がノミネートされている。

ラストでイゴールがイヴァンとイヴァンの両親に対し、静かに「イヴァンはアノーラに謝るべきではないか」と伝えるシーンは、もしかしたら本作の最大の見せ場なのかもしれない。

また、アノーラは自分を押さえつけて動けなくさせたイゴールを最後まで憎むが、ラストで悲しみにくれるアノーラをイゴールが抱きしめるシーンは忘れられない。

観客の誰もが、この先の二人の幸せを願ってしまっただろう。

ただ、あまり映画の中に入り込めるような内容ではなかった。

カンヌ国際映画祭では、最高賞であるパルムドールを受賞しているが、アカデミー賞の作品賞には相応しくない気がする。

なお、本作はR18指定で、(映画としては)かなり過激なセックスシーンが何度もでてくるので注意。

付き合い始めのカップルでは観に行かないように。

でも、もしかしたらカップルで観に行った方がいいのかもしれない。

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