【ネタバレ】『プラダを着た悪魔2』感想|前作の魅力はなぜ半減したのか
本日から公開の映画「プラダを着た悪魔2」を鑑賞。
錦糸町のTOHOシネマズの中型のスクリーンで観たのだが、空席なしの超満員。
朝にネット予約したのだが、最前列しか空いていなかった。
これは本作のパート1のファンが、多くいることの証左。
何せ「プラダを着た悪魔」といえば「お仕事映画」の決定版の一つ。
前作の公開は丁度20年前の2006年。
20年前経っても色褪せない魅力が前作「プラダを着た悪魔」にはあった。
私が思う前作の魅力は次の3つ。
①アンドレアの成長
アン・ハサウェイ演じる前作のアンドレアはジャーナリスト志望にも関わらず、ファッション誌「ランウェイ」で働くこととなり、最初は戸惑いばかり。
しかも、仕事は悪魔のごとき編集長であるミランダ(メリル・ストリープ)のアシスタント。
それでも、アンドレアは逃げずに食らいつき、仕事を自分のものにしていく。
しかし、自分の右腕と言ってもいい存在であるナイジェルを切り捨てるミランダの非情な振る舞いに対し、成功することの本質を見てアンドレアはミランダと袂を分かつところで前作は終わる。
このアンドレアの成長は千利休が言った「守破離」そのもの。
仕事を始めたばかりのアンドレアは業界の型を”守”るところから始める。
そのうちに成果を出し始めて型を”破”る。
そして遂に自分のスタイルを確立したアンドレアは、ミランダとの人生観の違いを明確に意識することとなり、ランウェイを去っていく。
決してアンドレアは逃げたのではない。
自分の意志で別の道を選んでいく。
このアンドレアの成長の過程を見て観客は感動する。
②ミランダの悪魔的魅力
とんでもないパワハラ上司なのに、どこか魅力的なミランダ。
このミランダというキャラクターをメリル・ストリープは完璧に演じていたと思う。
前作を観た人は、誰もがそう思ったに違いない。
メリル・ストリープ自体がミランダのような性格なのかもしれない。
「ああなりたい」と「こうはなりたくない」が同居している存在。
それがミランダというキャラクター。
誰もが仕事で成功したいと願う。
しかし、成功した先に幸せはあるのか。
仕事で成功することで払う代償。
仕事とプライベートはトレードオフの関係にあるとも言える。
どちらをどれだけ大事にするのか、犠牲にするのかは、その人次第。
「どこまでを代償として受け入れるかは、自分で決めろ」が、本作のテーマの一つであり、誰しもが一生悩む問題。
この問題をミランダというキャラクターを通して観客に投げかけていることが、本作の大きな魅力の一つなっている。
③エミリーとナイジェル
前作においてエミリー(エミリー・ブラント)とナイジェル(スタンリー・トゥッチ)の存在は欠かせない。
エミリーもナイジェルもミランダを尊敬して彼女の下で働いている。
しかし、アンドレアに対する立ち位置は全く違う。
職場の先輩であるエミリーはアンドレアの“未来の一形態”を可視化し、厳しい現実を表現する役割を担っている。
一方、アンドレアのメンター的な存在であるナイジェルは、過酷な世界における理想を体現している。
ナイジェルは、この物語の良心。
実は本作に出てくる最も魅力的なキャラクターはナイジェルなのかもしれない。
前作の中盤でアンドレアがナイジェルにプライベートが上手くいかないとグチるシーンがある。
このグチに対してナイジェルは、「それは仕事が上達した証拠だ。彼氏と別れたら教えてくれ。昇進の時期だ。」と答える。
この場面は「プラダを着た悪魔」という作品の本質を表しており、私にとっては忘れられないハイライトシーンだった。
さてさて前置きが長くなったが、今回鑑賞した続編は、前作の魅力が半減していたと感じた。
アンドレアの成長の物語でもないし、ミランダの悪魔的な魅力もほとんどない。
ルーシー・リューが演じるサーシャ・バーンズが劇中で2回ランウェイを救うが、このサーシャなる人物が何者なのか、どうしてランウェイを救うのか、よく分からない。
サーシャは単なるご都合主義キャラとしか思えない。
こうなると昨今の行き詰ったハリウッド映画にありがちな、過去の栄光にすがった作品群の一つとなってしまった気がする。
いつまでやるんだスパイダーマン。
いつまでやるんだエイリアン。
いつまでやるんだプレデター。
いつまでやるんだターミネーター。
いつまでやるんだトイストーリー。
もう前作から20年も経過したんだから、キャストをがらっと変えて、ランウェイ前日譚として、ミランダの若い頃を描いて欲しかったなぁ。。。
最近更新が少なかったので心配しています。
明日映画を見るとしたら、おススメは何でしょう?
ゴールデンウィークも最後なのでもしよければ教えてください。
ちなみに最近見たのはネトフリの「でっちあげ」なのですが、
冤罪と分かっているのに苦境に立たされる綾野剛を見ていてしんどくなりました。
コメントありがとうございます! ゴールデンウィークは「SAKAMOTO DAYS」、「プラダを着た悪魔2」、「サンキュー、チャック」、「ラプソディ ラプソディ」の4本を観ました。 残念ながら、どれもお勧めできす作品ではありませんでした。。。
返信が遅れてすみません。。。
結局「サンキュー、チャック」を見ました。
映画ではチャックの顔の写真・映像とともに「サンキュー、チャック」とナレーションが流れていましたが、私がもし死ぬときには私の顔写真を使わず、私の人生でお世話になった人たちが、それぞれの顔で「ありがとう、とむ!!」と言ってくれる世界を希望するな~などと、「最期に見たい世界」の違いを感じたのでありました。
次は「君のクイズ」を見てみようと思います。ネタバレとのことで記事はちゃんと読んでいませんが、最後の方に「ともかく大きく改変・省略されているとはいえ、面白く仕上がっていたと思う。」とあったので、楽しみです。