ネタバレあり:映画「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」レビュー
公開中の映画「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を鑑賞。
超絶なハッピーエンドで、思わず笑顔の涙が出た。
久々に洋画で面白いと思った作品。
エンタメ性が高いだけでなく、余韻もたなびく素晴らしい仕上がりになっていた。
本作は1969年に史上初めて人類による月面着陸に成功したアポロ宇宙船11号にまつわる物語をコメディタッチに描いていく。
アポロ11号の月面着陸と言えば、月面の映像はスタンリー・キューブリックがスタジオで撮ったものという陰謀論が有名。
この都市伝説を映画化したものが本作品。
主演はスカーレット・ヨハンソンとチャニング・テイタム。
あらすじ(ネタバレなし)は次のとおり。
冷戦下の米ソ宇宙開発競争のさなかの1961年、アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディは、1960年代中に人間を月に到達させるとの声明を発表。
発表当初は盛り上がったアポロ計画も、ベトナム戦争が始まるなどして、徐々に予算が減らされていく。
大統領がニクソンとなり、世間の関心をベトナムからアポロ計画に移させるために、政府は秘密裏にPRマーケティングのプロフェッショナルであるケリー(スカーレット・ヨハンソン)を雇う。
PRのためなら平気で嘘をつくケリー。
しかし、ケリーの戦略は当たりまくり、民間企業のタイアップ等で資金は集まり、世間の目もNASAに注目していった。
そんなやり方にNASAの発射責任者コール(チャニング・テイタム)は反発する。
一方で、コールとケリーは何故か魅かれあっていく。
そんな中、ニクソンの側近の一人であるモー(ウッディ・ハレルソン)がケリーを呼び出し、「月面着陸のフェイク映像を作れ」という極秘任務を依頼。
モーはケリーの弱みを握っていたため、ケリーは渋々引き受ける。
ケリーは生真面目なコールには内緒でフェイク映像制作に取り掛かっていく・・・。
<以下、ネタバレレビュー>
この映画は全体的にテンポが良くてラストまでがあっという間。
特に前半は主演のスカーレット・ヨハンソンが演じるケリーのPRとマーケティングのプロフェッショナルのキャラクターがとても魅力的に描かれていて、観客はすぐに引き込まれる。
ケリーがNASAに入っていくと、今度は発射責任者のコールが登場。
彼は最初は堅物に見えるが、物語が進むにつれてどんどんかっこよくなっていく。
特に、ケリーがコールの正直さに心打たれて成長していく姿は感動的。
彼女がフェイク映像を作って逃げ出すも戻ってくる場面で、過去の自分を告白するシーンは涙を誘う。
ケリーとコールのラブロマンスもちょうど良いバランスで描かれており、エンターテインメント性も高い。
フィクションと知りつつも最後までどこまでが本当でどこまでがフェイクなのかをドキドキしながら観ることができる。
映画の冒頭に登場する黒猫が、物語全体を通して重要な役割を果たすのも面白いポイント。
上映時間は132分と少し長めだが、全く退屈しない内容。
現在、日本では洋画があまりヒットしない状況であるが、この映画は普段映画を観ない方にもおすすめできる作品。
ラストの超絶ハッピーエンドは、観終わった後に心地よい余韻を残す。
「ルックバック」を鑑賞済みの方は「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」をどうぞ。