映画「 フォードVSフェラーリ」 幸福=ビジョンとゴールの明確化
映画「フォードVSフェラーリ」を錦糸町TOHOシネマズで鑑賞。
1960年代半ばにあった、モータースポーツ界の実話に基づいている。
主演はマット・デイモンとクリスチャン・ベイル。
Story
アメリカの大衆車を製造するフォード社が、イタリアのフェラーリ社を買収しようとするも失敗し、更にフェラーリの創業者であるエンツォ・フェラーリに罵倒されるという屈辱を味わう。
激怒したフォード社長は、フランスで行われるル・マン24時間レースで、強豪フェラーリに勝利するよう部下に命じる。
そこでフォードは、アメリカ人で唯一ル・マンで優勝経験がある元レーサーのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)に依頼する。
その後、シェルビーは、自動車工場を経営しながら、地方のレースに参戦している凄腕ドライバーのケン・マイルズにチームに加わるよう打診する。
ケンは、あまりに無謀な挑戦に悩むも、最終的にはチームに加わる決断をする。
そこから、シェルビーとケンは、フェラーリだけでなく、レースを使ってフォードを売り込みたいだけの幹部連中と戦いながら、ル・マンでの勝利を目指し悪戦苦闘していく。
フォードとフェラーリってどんな会社?
フォードは、ベルトコンベアーを使って、大量生産による大幅なコスト削減を成功させことで有名なアメリカの大衆車製造会社。
一方、フェラーリは、元ドライバー兼レースチームのオーナーであったエンツォ・フェラーリによって設立。
フェラーリ社の車は、ほとんど全てが手作りで、超高級車しか作らないことで有名。
モータースポーツにかける情熱も高く、1951年に始まったF1に現在まで連続参戦している唯一のチーム。
つまり、フォードとフェラーリは、その設立過程や、理念が対照的な会社となっている。
ル・マンってどんなレース?
ル・マンは、F1、インディ500と並ぶ世界三大自動車レースの一つであり、フランスのル・マン近郊で行われる。
複数のドライバーが交代しながら24時間走り続け、コースの周回数を競う。
長時間のレースであることから、車の速度だけでなく、耐久性も試され、F1のようにドライバー同士の戦いというより、メーカー同士の戦いといった面が大きく、車のメーカーにとては、ル・マンでの優勝は最高の名誉の一つとなっている。
ゴールを明確にするということ
映画の中で、マット・デイモン演じるシェルビーが「やるべきことが分かっている人間は幸せだ」というセリフが出てくる。
個人的には、このセリフこそ、この映画の主題だと感じた。
シェルビーとケンは、明確で、具体的なビジョンとゴールに向かって突っ走る。
突っ走っている最中、彼らは幸福に包まれる。
結果など二の次だ。
これは全ての人間の人生にも当てはまる。
ビジョンが無い人間は、今、やるべきことが分からない。
そんな人間は、無駄に時間を使い、人生が過ぎていく。
明確なビジョン持て。
この映画は、そう訴えかけている。
観て損は無し。