映画『夏目アラタの結婚』ネタバレあらすじと感想|涙を誘うサスペンスからヒューマンドラマへ

映画「夏目アラタの結婚」を鑑賞。
主演は柳楽優弥と黒島結菜。

監督は堤幸彦。
乃木坂太郎が描いた同名の漫画が原作となっている。

以下、ネタバレあらすじ。

連続殺人の容疑者「品川真珠」(黒島結菜)にまつわるサスペンス映画。
真珠は殺した遺体の一部を隠しており、今も見つかっていない。

一方、児童相談所で働く夏目アラタ(柳楽優弥)は真珠に殺された男性の息子から、父親の頭部がどこにあるのか真珠から聞き出して欲しいと依頼される。

アラタは拘置所で真珠と面会するも期待していた人と違うと言われ、面会室から出て行かれそうになる。

とっさにアラタは「結婚して欲しい」と言って引き留める。
当初は結婚する気もなかったアラタだったが、徐々に真珠に惹かれ始めて、遂に結婚してしまう。

真珠の裁判が進む中、アラタは真珠との面会を重ねていくうちに、真珠の悲しい過去を知っていくのだった・・・。

(あらすじここまで。)

CMを観た当初は、日本版の「羊たちの沈黙」のような作品で、品川真珠が面会する人々を操って、脱走したり、新たな事件を巻き起こすような物語なのかと思っていた。

ところが、真珠の悲惨な過去が明らかになるに連れて、サスペンスからヒューマンドラマに変わっていき、最後は涙が止まらなかった。

徐々に謎が解明されていく脚本が上手い。
しかもストーリーが進んでいくうちに、ただのサイコパスだと思われていた真珠が純粋な少女だったことも分かっていく。

特にビジュアル的に印象的であった真珠の汚い歯には汚いだけの理由があるところも面白い。

ラストで涙を流すほど心動かされた映画ではあったが、メッセージ性が低く、鑑賞後に語るべきところが少ないのが残念。

私の評価はB+。

ただ、各俳優陣の芝居は素晴らしかったと思う。

原作のアラタは元気いっぱいなキャラのようだが、柳楽優弥が演じた映画版のアラタは、ある程度落ち着いた性格だったが、それが最後の感動のラストにつながっていると思う。

物まね芸人の丸山礼が、アラタの同僚役をやっていたが、これもいい味を出していた。
映画内ではモテない設定の役だが、実際の丸山礼は美人。
映画内のセリフにもあった「うすポッチャリ」な女性がタイプな男性は多い。

あとは「友情出演」という形になっていた佐藤二朗もいい。
ストーリーには関係ない役だったが、相変わらず濃いキャラを演じる佐藤二朗は存在感がある。

お勧めできるような、できないような微妙な映画だが、原作ファンは観た方がいいと思う。

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