映画「パラサイト~半地下の家族~」あらすじ&感想 寄生する家族の物語 

映画「パラサイト~半地下の家族~」はポン・ジュノ監督による韓国映画。
第92回アカデミー賞作品賞受賞。
カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞。

パラサイト

Story

半地下に住む4人の貧乏家族の物語。
全員無職で、内職により生活。

そんな中、長男の大学生の友人が留学することとなり、友人がやっていた家庭教師のアルバイトの後任を長男が行うことになる。
家庭教師先は、超大金持ち。

大学生でもなんでもない長男は、嘘の書類を作り、家庭教師として入り込む。
その後、綿密な計画により、その他の3人も、絵画の先生、運転手、家政婦として、その大金持ちの家に入り込んでいく。

上手くいったと思われた最中、もう一つのパラサイト(寄生)家族の存在が発覚し、そこから物語は急展開していく・・・。

突然のサスペンス展開は人生と同じ

パラサイト

前半はコメディタッチで描かれるが、後半は怒濤のサスペンス。
読めない展開に、最初から最後まで目が離せない。

映画のテーマは、現在、どの国でも言われるようになった「貧富格差」。
だからといって、金持ち一家が悪人として描かれてはいない。

むしろ、いい人たち。
パラサイト家族自体が金持ち一家をリスペクトしていたりする。

ただ、印象的だったのが、貧乏一家の奥さんのセリフ。
「私だって、大金持ちだったら優しくなれる。お金は心のシワを伸ばすアイロンなのよ。」

お金は心のアイロンか。
忘れられないセリフになりそう。

この映画を語る上で重要なポイントは「匂い」と「階段落ち」。
金持ち一家の亭主は、パラサイト一家に追い出された運転手と家政婦に対し、「一線を越さないところが良かった。」と評している。

ところが、最下層に生きる人間から出る匂いは抑えようと思っても、自然と一線を越えてしまう。
その匂いを感じ、感じられた瞬間、貧しい者と富める者との断絶が始まり、正に階段から落ちるがごとく、突然に悪夢が始まる。

この映画の中では、何ヵ所か階段から人が転げ落ちるシーンがある。
階段から落ちるということは、突然に起こるものであり、そして起こった瞬間、まっ逆さまに落ちていく。

監督の意図は不明だが、階段落ちは、人生の象徴であり、現代社会の象徴であり、急にサスペンスになっていく、この映画の象徴として使っているのかもしれない。

監督のポン・ジュノは、インタビューの中で、「『寄生』という言葉は一文字変えれば『共生』。そして、人に対する礼儀が守れなかったとき、共生は寄生になる。」と言っている。
実際、映画の中で、無礼にも人を匂いで判断し、差別した結果、とんでもないことが起きる。

寄生から共生へ。
簡単なようで難しいテーマだ・・・。
この画期的なアカデミー作品を見逃すことなかれ。

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