映画「罪の声」あらすじと感想 架空のグリコ森永事件 事件解決の面白さだけにとどまらない傑作!

10月30日から公開の映画「罪の声」を鑑賞。
主演は小栗旬と星野源。
CMは面白くなさそうだったが、映画は抜群に面白かった。

罪の声

Story

曽根俊也(星野源)は町で小さなテーラー(オーダーメイドスーツ)を営んでいる。
ある日、俊也は押入れの奥から謎の手帳とテープを見つける。

テープには俊也の子供の頃の声が録音されており、俊也は自分の声が、35年前に発生した未解決の大事件「ギンガ・萬堂事件(通称、ギン萬事件)」の脅迫に使われていたことを知る。

ギン萬事件は、菓子メーカーの「ギンガ」や、食品メーカーの製品に毒物を入れて脅し、金品を要求した事件であった。

俊也は、何故、自分の声が脅迫に使われたのかを調べ始める。
徐々に俊也の叔父が関係していることが判明してくる。

一方、新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、会社から「ギン萬事件」の再調査を命じられる。
文化部であった阿久津は、当初、嫌々ながら関係者に聞き取りを行っていたが、いつしかのめり込み、遂に俊也に辿り着く。

真相を知るため、二人は協力することとなる。
調査を進めると、金目当てと思われていたギン萬事件は、実は、ある男女の社会に対する怒りと憎しみであったことが見えてくる。

不正に不正で対抗しない

本映画は2016年にベストセラーになった同名の小説が原作です。
映画はフィクションであるが、1984年に実際に発生した「グリコ・森永事件」がベースとなっています。

「グリコ」にあたる会社が映画では「ギンガ」になっています。
「グリコ・森永事件」は、2000年に時効を迎え、完全犯罪が成立。今も犯人は不明のまま。
本映画の「ギン萬事件」も時効になっているが、映画のラストで真犯人と犯行の動機が明かされます。

あらすじにも書いたとおり、犯人グループの首謀者の動機は金ではなく、不当な社会に対する反撃でした。
犯行の動機に同情を覚えないでもありませんが、やはり不正に不正で対抗しても意味はありません。
観終わって、古代ギリシアの哲学者ソクラテスの最後を思い出しました。

ソクラテスは不当な裁判で死刑宣告の上、投獄されます。
ソクラテスは弟子のクリトンが牢獄の番人を買収して脱獄ができる機会があったものの、

不正に対して不正で応じることも不正である。たとえ判決が不正なものであったとしても、番人を買収して脱獄するということは不正である。長生きするよりも、最期まで善く生きることのほうが自分にとっては大切だ。」

と言って弟子を説得し、平然と死んでいきました。
こうありたいものです。

本映画は、難事件が解決されていく面白さだけでなく、エンタメ化されたマスコミの報道の実態など、現代社会が抱える問題も描かれ、見応えがあります。

「グリコ・森永事件」を知っている世代だけでなく、知らない世代も楽しめます。
おすすめです。

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