映画「からかい上手の高木さん」ネタバレ感想:なぜ二人の初恋は10年後に結ばれたのか!?

公開初日に映画版「からかい上手の高木さん」を鑑賞。
本作は「高木さん」という女の子と「西方くん」という男の子のラブストーリー。
原作は漫画家の山本 崇一朗が描いた同名の漫画となっている。

漫画は2013年6月から 2023年10月まで少年誌「ゲッサン」(月刊少年サンデー)に掲載。
全20巻。

今年(2024年)の4月2日から全8話でテレビドラマ版も放送。
テレビドラマ版は1話30分で見やすく、私も毎週楽しみに視聴させてもらった。

テレビドラマ版の高木さんは月島琉衣、西方くんは黒川想矢だったが、黒川想矢が演じる西方くんがメチャクチャ可愛かった。

テレビドラマ版は漫画版と同じく高木さんと西方くんが中学生の頃の話。
テレビドラマ版は高木さんが両親の都合によりパリに行ってしまうところで終わる。

「からかい上手の高木さん」はアニメ版もあり、アニメ版に合わせてテレビドラマと映画版の舞台は山本 崇一朗の出身地である香川県小豆島。
(原作漫画に舞台設定はない。)

私は原作漫画を少ししか読んでいないが、テレビドラマ版は漫画のエピソードに基づいて製作されている模様。

今回鑑賞した映画版はオリジナルストーリーで、テレビドラマ版の10年後が描かれる。

映画版の高木さんは永野芽郁、西方くんを高橋文哉が演じる。
監督は今泉 力哉で、今泉監督はテレビシリーズの演出も手掛けていた。

以下、粗々のあらすじ(ネタバレあり)。

<ネタバレあらすじ>

西方くんは地元小豆島の中学校の体育教師。
そこに高木さんから電話がかかってくる。
高木さんはパリから帰国後、東京の大学で美術を学んでいた。

高木さんは描きたい景色があるから3週間ほど戻るという。
西方くんはパリに戻ると思ったが、高木さんは中学校の教育実習生として西方くんの前に現れる。

10年の時を超えて、再び高木さんの西方くんへのからかいが始まっていく。

そんな中、高木さんは高木さんと同じく絵画に没頭しながらも不登校になった町田涼(齋藤潤)くんと出会う。

島で絵を描く町田くんを見つけた高木さんは声をかける。
初めは心を閉ざしていたが、高木さんも中学生のころに日常を忘れるために絵を描いていたことを知り、町田くんは徐々に話を始める。

町田くんは人間関係が不得意で不登校になった。
そして同級生の女の子「大関」さん(白鳥玉季)から告白されたという。

大関さんからの告白に対して返事をしたのかと高木さんは町田くんに聞く。

一方、大関さんは先生である西方くんに告白したことにより町田くんが不登校になったのではないかと相談する。

この相談を受けて、西方くんは人に自分の思いを伝えることへの是非を考えるようになる。

教育実習期間の最終日、遂に高木さんと西方くんは思いを伝え合う。
しかも西方くんはプロポーズまでする。

手をつなぎあって島を歩く二人。
高木さんと西方くんの結婚式のシーンで映画は終わる。

<あらすじここまで>

漫画版には「からかい上手の(元)高木さん」という漫画もあり、高木さんと西方くんの結婚後が描かれている。

つまり今回の映画版は「からかい上手の高木さん」と「(元)高木さん」の中間を描いた作品。

ちなみに「(元)高木さん」は、原作の山本 崇一朗ではなく稲葉光史という方が作画している。

「高木さん」シリーズのファンならば、「(元)高木さん」の存在を知っているし、つまり高木さんと西方くんは必ず結ばれることを知っている。

それでも面白いのが「からかい上手の高木さん」。

映画版で中学の町田くんが高木さんに「高木さんにとっての『からかい』とは?」と聞くと、高木さんは「好きを超えた好き」と答える。

だったらさっさと告白しろよ!と観ている側は思うのだが、好きになりすぎると告白できないというのも分かる。

何故ならば告白した瞬間に恋が終わってしまうかもしれないから。

だから愛の告白は常に恐怖がつきまとう。
だから愛の告白は常に勇気を必要とする。

今年の春に公開された映画「四月になれば彼女は」で、「愛を終わらせない方法は愛を手に入れないこと」というセリフがあった。

一理ある。
高木さんが中学生のころに告白しなかったことにより、高木さんの西方くんへの思いは10年間も続いたのだ。

高木さんと西方くんが中学生のころに付き合っていたら、もしかしたら二人は結ばれなかったかもしれない。

それにしてもキスもセクロスもしないままに、プロポーズまでしてしまう展開には驚き。
しかも二人の会話からすると西方くんは童貞。チェリーボーイ。

中学生のころの初恋から始まり、その初恋の相手と結婚。
こんなプラトニックなラブストーリーがあっただろうか。
かつて人類が相まみえたことのないほどの純愛物語。

そして二人がお互いに思い告げる「長い」シーンがあるのだが、相変わらず「じれったい」が最高にドキドキする。

じれったくて、はがゆくて、もどかしい二人の関係が「高木さん」シリーズの魅力。

このじれったい二人がついに結ばれて二人が手をつないで歩いているシーンには自然と涙がこぼれてしまった。

映画版の前提となるテレビドラマ版はNETFLIXで全8話が配信中。
一部「Tver」でも無料で見れるので、是非、テレビドラマ版もご覧あれ。

ちなみに知人の知人の女性はドラマ版の「高木さん」を「男目線のラブストーリー」だと言ったらしい。

言いえて妙。
たしかに原作は少年誌に連載されていた。

この知人の知人の女性が「男目線のラブストーリー」で面白いと感じたのか、つまらないと感じたのか、興味深いと感じたのかは分からない。

この「男目線のラブストーリー」が、女性にはどう感じたのか知りたいものだ。

もう一つちなみに、月島琉衣が演じた高木さんと永野芽郁が演じた高木さんは、少し違うような気がするが、高橋文哉の西方くんは黒川想矢が演じた西方くんが受け継がれている感があった。
ただ、テレビドラマ版を見た人は必見であることは間違いない。

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