第99回キネマ旬報ベストテン|1位は『〇〇〇〇』――それでも「国宝」な一年だった
第99回キネマ旬報ベストテンが発表された。
「第99回」とあるように1924年から始まっている世界最古の映画賞。
キネマ旬報ベストテンは主に映画評論家で構成される選考委員の投票によって決まる。
今回の選考委員は64名。
各委員の第1位を10点。
第2位を9点、以下10位を1点として集計する。
一方、アカデミー賞は映画製作に携わる約4千人の投票で決まる。
選ぶ人間も人数も違うことから、選ばれる作品も違ってくる。
日本アカデミー賞はキネマ旬報ベストテンに比べて大衆寄りの作品が選ばれる。
逆に言えばキネマ旬報ベストテンは映画ファン(マニア?)向けの作品が選ばれる傾向にある。
それでも「国宝」が選ばれるだろうと思っていたところ、なんと第99回キネマ旬報ベスト10作品賞の1位は「旅と日々」。
予想は外れたが映画ファンとしては納得の選定。
「旅と日々」の獲得点数は220点。
2位は「国宝」で215点。
3位は「敵」で210点。
4位は「ふつうの子ども」で153点。
1位から3位までは僅差だった。
5位以下は次のとおり。
5位:「宝島」(140点)
6位:「愚か者の身分」(98点)
7位:「桐島です」(94点)
8位:「海辺へ行く道」(86点)
9位:「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」(83点)
10位:「見はらし世代」(82点)
昨年を代表する邦画といえば「国宝」になるわけだが、僅差とはいえ「国宝」が選ばれないところがキネマ旬報らしくてグッド。
なお、「旅と日々」の監督である三宅昌によるキネマ旬報ベストテン作品賞1位獲得は今回で3度目。
(2024年「夜明けのすべて」 2022年「ケイコ目を澄ませて」)
三宅監督は1984年生まれの41歳。
映画監督としては非常に若い。
日本映画界の未来は明るい。
続いて個人賞。
<主演男優賞>
1位:吉沢亮
2位:長塚京三
3位:毎熊克哉
4位:綾野剛 北村匠海 妻夫木聡
1位の吉沢亮は作品の力に寄るところが大きい。
キネジュン的には「敵」の長塚京三かと思っていた。
<主演女優賞>
1位:シム・ウンギョン
2位:広瀬すず
3位:長澤まさみ
4位:井川遥
5位:河合優実 北川景子 倍賞千恵子
個人的には「TOKYOタクシー」の倍賞千恵子に獲って欲しかった。
「TOKYOタクシー」で演じた役と倍賞千恵子の人生が重なって見えるくらい、「TOKYOタクシー」は彼女の女優人生の集大成のような映画だった。
<助演男優賞>
1位:佐藤二朗
2位:堤真一
3位:田中泯
4位:窪田正孝 横浜流星
私は佐藤二朗の過剰な芝居が好きではない。
でも「爆弾」で佐藤二朗が演じたスズキタゴサクはハマり役だったことは認める。
個人的には「旅と日々」で「べん造」を演じた堤真一さんに1位を獲得して欲しかった。
あの東北弁をもう一度聞きたい。
「旅と日々」は「べん造」を観る映画だ。
<助演女優賞>
1位:伊東蒼
2位:森田望智
3位:瀧内公美
4位:河合優実
5位:井川遥 森七菜
伊東蒼出演の「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」は、先に原作小説を読んでいたので、あの長セリフを聞いて映画館で号泣したのを覚えている。
なお、原作小説は、お笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介が書いている。
映画に感動した方は是非小説の方も読むことを勧める。
2位の森田望智の「ナイトフラワー」での女子プロ格闘家の動きも凄かった。
一体何か月練習したのか。
もしかしたら森田望智は格闘家に転向した方が成功するかも。
<監督賞>
1位:李相日
2位:吉田大八
3位:大友啓史 呉美穂 三宅昌
4位は6人もいるので省略。
1、2位は順当。
3位の大友啓史には納得できない。
「宝島」面白いか?
少なくとも「宝島」は昨年を代表する大コケ映画の記憶しかない・・・。
なお、本年2月19日に第99回キネマ旬報ベストテンの表彰式が開催される。
日本アカデミー賞の授賞式は3月13日。
今年もキネジュンベストテンと日本アカデミー賞の比較動画を作るのでお楽しみに。