映画『ストレンジ・ダーリン』ネタバレ感想|時系列シャッフルが暴くシリアルキラーの真実と二面性

映画「ストレンジ・ダーリン」を公開から二日目に鑑賞。
アメリカでは昨年に公開された作品で、低予算ながら高評価を得たらしい。

映画の冒頭に、次の3つのことが宣言される。

・35mmフィルムで撮影
・数年前に実際に起こった連続殺人事件を基に作られている
・6章に分かれている

何故、35mmフィルムで撮影したのかは不明。

私もフィルムカメラで遊んだことがあるので知っているが、最近のフィルムは画質がいいので、フィルム感は感じられなかった。

いっそのこと16mmで撮ればよかったのに。

実際に起こった事件であるとしているが、真偽は不明。
公式を見ても、その部分は書かれていない。

この映画の最大の特徴は6章に分かれているところ。

この6つの章の順番をバラバラにしている。
つまり時系列順に進まない。

最初は3章から始まり、5⇒1⇒4⇒2⇒6の順番で進んでいく。

3章は赤い服を着た女性が男性に追われるシーンから始まる。

「追う男と逃げる女」という、よくある映画であるかと思いきや、章が進んでいくうちに真実が明らかになっていく。

<ここからネタバレ>

実はシリアルキラーは女性の方で、世間では「エレクトリック・レディ」と呼ばれていた。
男の方の正体は警察官。

章の順番を変えることによって、観客をダマす仕掛けになっている。

しかし、この映画の面白さはシリアルキラーであるレディのキャラクター。

自分の罪の重さを知っているのか、男に自分の首を締めさせるなどのマゾスティックなプレイを要求して楽しんだり、ゲイリー・ギルモアのように銃殺されたいなどと言う。

そんな彼女であれば、男に追い詰められても平然としていられそうだが、実際は死に怯え、逃走中に出会った人々に平気で噓をつくなどして、必死に逃れて生き延びようとする。

レディの行動は一貫性がないように見える。
しかし、レディほどではないにせよ、誰でもレディのような二重性を持っている。

この人間の持つ二面性や、非合理性を表現している部分が、本作の高評価につながっているのかもしれない。

また、レディが何故に連続殺人を行うようになったのか一切描かれないのも興味深い。

彼女は産まれついての捕食者なのか。
それとも過去のトラウマか。

レディはナチュラル・ボーン・キラーのようだが、無差別に殺しているわけではなく、自分に優しくしてくれた人は殺さない。

どうやら、やさしい言葉をかけつつも体を目当てに寄ってくる男を狙っているようだ。

過去にレイプでもされたのだろうか・・・。

あえて、その部分を曖昧にしているところも想像をかきたてられていい感じ。

観た後にレディの評価について、おしゃべりできそうな作品。

ヒットはしないだろうが、おすすめできる作品。
音にもこだわっている作品なので、興味のある方は映画館でご鑑賞あれ。

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