映画「TOKYOタクシー」レビュー|山田洋次×木村拓哉×倍賞千恵子が描く“日本版パリタクシー”の魅力

映画「TOKYOタクシー」を公開初日に鑑賞。

監督は「男はつらいよ」の山田洋次監督。
主演は倍賞千恵子と木村拓哉のW主演。

子供の学費等により経済的困窮状態にある個人タクシー運転手「宇佐美浩二」を木村拓哉が演じる。

倍賞千恵子は宇佐美のタクシーに乗り込む老婆「高野すみれ」を担当。

すみれはタクシーに乗り、東京の柴又を離れて神奈川県の葉山にある高齢者施設に向かう。

すみれは心臓病を患っており、自分が生まれ育った東京が見納めになると思い、道中で色々と寄り道を宇佐美に依頼する。

愛想はよくないものの、宇佐美は老婆の言う通りにタクシーを走らせる。

東京のさまざまな場所を巡りながら、すみれは自らの壮絶な過去を語り始めるのだった。

本作は2023年に日本で公開されたフランス映画「パリタクシー」の日本版リメイク。

山田洋次監督の作品は多く観ているが、外国映画をリメイクした作品はない。はず。

想像するに、「パリタクシー」という物語自体が、非常に日本的で、いわゆる「松竹大船調」そのものであったため、日本版にリメイクしても違和感はないだろうと判断されたのだと思う。

ちなみに「松竹大船調」とは、市井の人々の笑いと悲しみを描いた物語のこと。
一言で言えばホームドラマ。

そして「パリタクシー」はホームドラマであるとともに、ロードムービーであることも見逃せない。

旅を続ける間に中年のタクシー運転手と老婆の間に奇妙な友情と絆が生まれる。

たった数時間で絆など生まれようもないはずだが、この物語はそこに不自然さを感じさせないから凄い。

今回鑑賞した「TOKYOタクシー」は、「パリタクシー」から全くといっていいほど改変されていない。
観ていて山田監督の「パリタクシー」へのリスペクトが強く感じられた。

恐らく山田監督はオリジナリティよりも、このストーリーの素晴らしさを、より多くの人に知ってもらいたいと思って作ったに違いない。

私も山田監督と気持ちは同じ。
「TOKYOタクシー」でも「パリタクシー」でも、どちらでも構わないので、より多くの人に本作を観てもらいたい。

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