映画「遠い山なみの光」ネタバレ感想|退屈で面白くない文学系映画

映画「遠い山なみの光」を公開初日に鑑賞。

本作は2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの処女作「A Pale View of Hills」が原作。

ノーベル賞を獲得するような作家の小説など、私のような文学的才能がゼロの庶民には面白いわけはない。

大衆が面白がるような作品ではノーベル賞など与えられるわけはない。
そんな小説を原作としているのだが、当然映画も全然面白くなかった。

カズオ・イシグロ氏は1954年に長崎県長崎市で生まれるも、1960年に両親とともにイギリスに移住。

現在の国籍はイギリス。
つまり、彼が書いた小説は全て英語で書かれている。

本作「遠い山なみの光」の監督・脚本は石川慶。
カズオ・イシグロ氏も製作に関わったらしい。

広瀬すず、二階堂ふみ、吉田羊のトリプル主演。

本作はイシグロ氏が生まれ育った長崎とイギリスが舞台。

戦後間もない1950年の長崎で夫と暮らす悦子(広瀬すず)。
悦子は妊娠していたが、夫と別れイギリス人と結婚しイギリスで暮らすことを決意する。

時は過ぎ、1980年代のイギリスで暮らす悦子(吉田羊)。
ある日、二人目の夫の間にできた娘「ニキ」(カミラ・アイコ)が悦子の下を訪ねる。

作家になったニキは、小説を書くため、悦子から長崎からイギリスに移住した際の状況を聞く。

この悦子の30年前の回想が本作のメインストーリーとなっている。

(ここからネタバレ)

30年前、団地に住んでいた悦子は、ベランダから見えるバラックに娘と二人で住んでいた「佐知子」(二階堂ふみ)と出会い、交流を深めていく。

佐知子はアメリカ軍人を度々バラックに呼び寄せていた。
そして、佐知子は「フランク」とアメリカで暮らすという。

しかし、映画のラストで佐知子などという人物は存在しないということをニキは見破っていくのだった。

この悦子の嘘が、本作のトリックの見せ場のようになっているが、私も含め、観客に驚きは少なかったのではないかと感じている。

というのも、本作の公式サイトや、CM動画で、「私がついか嘘」などという形で「嘘」という単語が出まくっている。

しかも、カズオ・イシグロの小説は、業界用語でいう「信頼できない語り手」で有名。

私にとってダメ押しは、産経新聞の映画紹介コーナーの記事。

『対照的だが、“一心同体”の2人を演じる広瀬と二階堂が圧巻だ。』

これで、観る前から佐知子というキャラは悦子の内面を投影した架空の人物であるということが予想されてしまう。

もちろんカズオ・イシグロとしては、そこをメインとしているわけではなく、何故こんな嘘をついたのかであったり、どうして一人目の夫と離婚した理由や、一人目の夫との間に作った娘「景子」の自殺の原因を語らないのかを読者にゆだねている点にある。

こういった余白の多い作品は、映画ファンにとっては好まれることが多いが、本作に限って言えば個人的には鼻につく。

ケッ!気取りやがって!
という感じ。

先ほど挙げた明確に描いていない点について、考察する気になれない。

はっきりいって退屈な作品。
少なくとも普段映画を観ない人に勧められるようなものではない。

普段映画を観ない人にとっては、カズオ・イシグロだの、カンヌ国際映画祭で絶賛されただのは、ほとんど興味がなく、単純に面白いか面白くないかだけ。

鑑賞前の主な判断材料はCM動画になるわけだが、原作にエンタメ性がない文学作品なのだから、CMも面白くなるわけがない。

ずばり言えば、ヒットしない作品。

やっぱり文学賞を作家の小説を原作にしてはダメってことですな…。

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