【ネタバレあり】映画『花まんま』感想・原作との違い3選|涙腺崩壊の感動作!
今週から公開の映画「花まんま」を鑑賞。
本作は三歳違いの兄と妹に起こる不思議で切ない愛の物語。
幼いころに父を事故で失い、また、兄の「俊樹」が高校生の頃に母を亡くし、兄が親代わりとなって妹「フミ子」を守っていく。
しかし、妹が生まれた日に事件に巻き込まれて死んだ女性「繁田喜代美」の魂が妹「フミ子」の精神に入り込み、その喜代美の記憶の影響により、幼きフミ子は兄の俊樹とともに喜代美が生まれ育った滋賀県の彦根を目指すこととなっていく・・・。
監督は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」「そして、バトンは渡された」の前田哲。
鈴木亮平と有村架純のW主演。
朱川 湊人(しゅかわ みなと)の同名小説が原作。
原作の「花まんま」は2005年に直木賞を受賞している。
今回も鑑賞前に原作小説を読んでみた。
読み始めると映画のCMに出てきたキャラクターが出てこない。
おかしいなと思い、目次を見ると、短編集であった。
とりあえず1話目を読み終えた後、「花まんま」を読む。
お話の最後に「花まんま」とは何なのかが分かる。
分かると同時に、号泣。
誰もが感動する大衆小説。
さすが直木賞。
読み終えた後に改めて映画版のCM動画を視聴。
全く原作の場面が出てこないので、ほとんど全部を改変したと思い込み、少しがっかり。
ところが映画版は改変というよりも、「原作小説」+「原作の続き」というものであった。
しかも、この肉付けされた部分も素晴らしく、後半はずっと泣きながら観ていた。
以下、ネタバレしつつ、小説との違いを3つほど挙げてみたい。
①フミ子の婚約者「中沢太郎」
映画では有村架純演じる「加藤フミ子」と鈴鹿央士演じる「中沢太郎」が婚約するところから始まる。
しかし、原作小説では最後の数行に「学者肌の、マジメを絵に描いたような男」とフミ子が結婚すると書かれているだけ。
「中沢太郎」という名前は書かれず、当然、カラスと会話する場面や、結婚式に至るまでの物語も小説にはない。
②登場人物
原作小説は俊樹とフミ子が小学生の頃に滋賀県の彦根にいる繁田家を訪ねに行った物語がメインで、その後は描かれていない。
そのため、映画には出てきた、お好み焼き屋の親子(オール阪神・ファーストサマーウイカ)や、俊樹が働いていた工場の山田社長(オール巨人)は小説には出てこない。
そもそも小説では俊樹が工場で働くシーンもない。
ただし、この3人の役は映画では重要な役割を果たしていて、素晴らしい改変だと感じた。
特にファーストサマーウイカが演じたお好み焼き屋の看板娘の存在感&美しさが際立っていて、思わず出自をネット検索。
本名は「初夏(ういか)」で、これを英語読み(?)して、「ファーストサマーウイカ」としているようだ。
「ファーストサマーウイカ」の今後の女優業に注目していきたい。
③繁田喜代美の職業
これはどうでもいい違いだが、映画版の繁田喜代美はバスガイドであったが、小説版の繁田喜代美はエレベーターガール。
エレベーターガールは、ほぼ絶滅してしまったので、若い子は分からない子もいるので、バスガイドに変更したのだろう。
以上の3点が主な違い。
小説を読んだ方はご存じのとおり、この物語のポイントは繁田喜代美の父が娘の死をきっかけに食事を取らなくなり、ガリガリに痩せてしまうところ。
この父を思い、繁田喜代美の魂はフミ子の体を借りて、「花まんま」を父に届ける。
酒匂 芳(さこう よし)繁田喜代美の父の役を担当したが、観ているものに十分な説得力があるほどに衰弱した様子を演じていた。
酒匂氏は相当な減量を実施したのだろう。
この酒匂氏の努力により、観ているものの心が動かされ、感動の涙を誘っているのだろう。
東映というメジャー会社が配給の映画で、ベタなストーリーといえば、そうなのだが、普段映画を観ない人に勧められる映画と言っていいだろう。
個人的な評価としては「Aー」。
是非、ゴールデンウィークは「花まんま」をご覧あれ。