さらば宇宙戦艦ヤマト 4Kリマスター版鑑賞レビュー:映画館満席も、ネタバレあれこれと不満爆発
映画館で「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 4Kリマスター版」を鑑賞。
全国36館にて3週間の限定公開。
映画館に入ってみると、なんと満席。
上映時間ギリギリにチケットを買ったため最前列の席になってしまった。
満席で映画を観るなんて超久しぶり。
本作は劇場版宇宙戦艦ヤマトの2作目。
1作目はテレビ版をつなぎ合わせたものであったが、「さらば宇宙戦艦ヤマト」は新作のオリジナルストーリー。
1978年公開。
舛田利雄と松本零士の共同監督作品。
(恐らくは舛田利雄がメイン監督。)
先日、1作目も映画館で鑑賞した。
上述したとおり、1作目はテレビ版の総集編のような映画であるため、映画としてのクオリティはゼロ。
2作目は劇場版として作られたため、期待して観に行ったのだが、怒りを覚えるほどのダメ映画。
しかも、上映時間152分の長尺映画。
我慢して、我慢して、なんとか最後まで鑑賞。
ほとんど修行のような状況であった。
「さらば宇宙戦艦ヤマト」は、前作から1年後(西暦2201年)を描いた続編。
あらすじ(ネタバレあり)は、次のとおり。
前作でガミラス帝国からの攻撃により地球は地表全体が汚染され退廃していたが、ヤマトの活躍により(たった)1年で急激に復興は進み、地球は元の姿を取り戻していた。(いくらなんでも早すぎでしょ。。。)
主人公である古代たち元ヤマトの乗組員は、様々なところで復興に関する仕事に従事していた。
その頃、地球から遠く離れたところに巨大彗星が現れる。
その彗星の中にはズォーダーという独裁者が統治する白色彗星帝国があった。
彗星は様々な星を侵略し、その星の人々を奴隷としていた。
ある日、古代は白色彗星帝国に侵略されたと思われる星のテレサという女性からの救援メッセージを受けとる。
古代は司令部に救援に向かうことを進言するも、相手にされない。
そこで古代は命令を無視して元乗組員を集めてヤマトを出航させる。
ワープ航法を使い、テレサのいる星に到着。
古代は反物質人間のテレサから、白色彗星帝国の次の侵略先が地球であることを知る。
白色彗星帝国と激しい戦いの末、波動砲により帝国を包むガス体の除去に成功。
白色彗星帝国の姿が見えるようになったものの、圧倒的な戦力差に、なすすべもないヤマト。
そこでヤマトから小型機を発進させ、内部に進入。
ヤマトの技師長である真田と斉藤により、自身もろとも帝国の動力源を爆破。
戦いに勝利したと思ったところ、帝国の内部から巨大戦艦が現れる。
古代は生き残った乗組員たち全てをヤマトから降ろし、死んだ婚約者「森雪」の遺体とともに敵戦艦に特攻。
巨大戦艦が大爆発を起こしたところで映画は終わる。
冒頭からラストまで、ツッコミどころが満載。
中途半端で細切れな救援メッセージで、ヤマトの乗組員全員が集まるのは全く納得いかない。
後半の白色彗星帝国の戦いも、かなり無理がある。
小型機で内部に進入して直ぐに動力源にたどり着いてしまうのは都合がよすぎる。
星の内部に巨大戦艦があるというのも変過ぎ。
半分は古代の妄想とはいえ、前艦長の亡霊が古代に特攻を命じるのは狂っている。元上司なら逆に止めるだろ。
波動砲が効かないにも関わらず、ヤマトが体当たりした程度で巨大戦艦が爆発してしまうロジックが不明。
こんな映画が何故大ヒットしたのか理解に苦しむ。
恐らく当時はSFブームで、SFを作ればどんなものでも客が入ったのかもしれない。
脚本もひどいが、作画もひどい。
1作目はテレビ版の総集編だから仕方がないが、本作は劇場版の新作として製作しているにも関わらず、画がテレビアニメ並。
この作品が1960年代に作られたなら、ある程度は納得する。
しかし、本作の公開は1978年の公開。
1970年代の後半といえば、「ルパン三世 カリオストロの城」や、「銀河鉄道999」など、「大人が観れるアニメ」が作られ始めた時代。
ヤマトは、大人が観れるアニメにはなっていない。
しかも、より良い作品を作ろうという製作者側の良心を全く感じさせず、ただブームに乗っただけのアニメ。
私は生きている限り、宇宙戦艦ヤマトをバカにし続けるだろう。