週刊現代特集: 台湾有事の影響と日本の対応策 週刊現代の硬派路線に大賛成!

今週号の週刊現代のメイン記事「台湾有事 日本はこうして戦争に巻き込まれる」が面白い。

安倍元総理が「台湾有事は日本有事」と言ったのは誰もが知るところ。
しかし、実際に台湾有事が発生した際に、どのように日本が関係していくかは、さほど語られない。

今回の週刊現代の記事は、この疑問に対して簡潔にして分かりやすく解説している。

記事の冒頭ではCSIS(戦略国際問題研究所)という、アメリカのシンクタンクによるシミュレーション結果が紹介される。

CSISが検討した大部分のシナリオでは「台湾・アメリカ・日本は大きな損害を被るが、中国は台湾占領に失敗する」というのが結論。

しかし、この結論は、あくまでも自衛隊のサポートがあり、そして米軍が日本国内の基地をフル活用できた場合。

シナリオの多くは中国と日米台と全面戦争になると仮定する。
合理的に考えて、戦争が始まれば中国の空母・艦艇・戦闘機は平気で日本の領海と領空を侵犯する。

そして初動で攻撃されるのは台湾ではなく、与那国島・石垣島・宮古島・沖縄本島の自衛隊・米軍機基地と施設。

更に戦争が始まる前後に、台湾からの大量の難民が発生。
当然、その難民たちは日本を目指すこととなる。

最悪の場合は、日本の領土が攻撃されることもある。
さすがに平和主義の日本においても、領土に攻撃されれば個別自衛権が発動される。

しかし、自衛権の発動には国民からの猛烈な反対が起こるだろう。
その反対に対し、政府がどう対応するか。
これもまた想定される大きな課題。

領土が攻撃されるとなれば、宮古島以西に住む人々10万5千人の避難をどうするかも大問題だ。
そして避難方法などについて、政府で検討された気配は一切ない。

台湾にいる2万人、中国国内にいる11万人いる日本人の避難も考えなければならないが、これも非常に困難であることは想像に難くない。

一方、笹川平和財団主任研究員の山本勝也さんによると、中国の人民解放軍は、日米に介入させないため、日米軍事施設や、領海侵犯などせずに、超短期間で台湾を制圧するというシナリオを予想している。

更には、習近平は、現在のロシアの状況を見て、内部からの反逆や、内乱の不安で頭がいっぱいで、戦争など仕掛けないという楽観論も記事内で紹介している。

どのシナリオも非常に説得力がある。
今回の記事は、週刊誌には珍しく11ページの特集。
11ページあっても、内容が面白いので一気に読めてしまう。

それにしても、ここ数週間の週刊現代の変貌ぶりには驚くばかり。
これまでは高齢者向けの健康・年金関係や、エロ記事ばかりだった。

週刊誌といえば週刊文春か、週刊新潮の記事しか注目してこなかったが、これからは週刊現代が大注目だ。

実は今週の週刊現代は台湾有事だけでなく、温暖化問題や、埼玉県川口市の在日クルド人問題も取り上げている。

この硬派路線には大賛成。
次週の週刊現代も絶対にチェックすることにしよう。

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