EOS RPで撮る北木島 観光地でない島の旅行記
キャノンのEOS RPを持って岡山県笠岡諸島の一つである北木島に行く。
レンズはRF24-105mmF4-7.1 is stmとEF-S55-250mmF4-5.6 stm。
EF-Sレンズはキャノン純正の変換アダプターを使って装着。
笠岡駅から徒歩5分程度のところにある旅客船ターミナルから船に乗って40分程度で北木島に到着。
片道800円。
高速船の場合は1,430円。
午前9時に到着。
ゴールデンウィークなので、もっと観光客がいるかと思ったら、北木島に降りたのは数人。
旅客船ターミナルにあったパンフレットを見ながら歩いたのだが、現地に案内の看板はほとんどない。
それどころか土産物屋もない。
食事するところも、ほぼない。
トイレを探すのも一苦労。
最初はパンフレットに掲載されていた「諏訪神社」を目指したのだが、案内がないので迷子になった。
どうにか到着したが、大した神社でもない。
神主も、客もだれもいない。
諏訪神社は、住宅街の中にあるのだが、辿り着くまでの道が狭く、一人で通るのがやっと。
道なのか、民家の中なのかも分からない。
そして狭い道にもかかわらず、やたらと島民らしき人がスクーターを走らせる。
しかも、全員ノーヘル。
今や、自転車でもヘルメットをしなければならないのに、ここではバイクでもノーヘル。
多分、車に乗る時はシートベルトをしていないだろう。
この手の離島は、どこでも治外法権ということか。
神社の次は島の北にある石切り場を目指す。
北木島は石が有名なのだ。
東京駅、日本橋、靖国神社鳥居などなど、数々の有名建築物に使われている。
この石切り場だけは、案内看板があり、辿り着くと受付の小屋がある。
「名前を書くんですか?」と聞くと、「名前はいりません。千円です。」とのご回答。
せ、千円!?
高っ!
まぁ、島民への寄付だと思って千円を支払う。
すると、中年の男が出てきて、石切り場の説明を始める。
説明によると、北木島の石切りは明治から始まり、今も続いており、開始から130年も経過しているという。
小山の頂上から、すり鉢状に下に掘り進めていて、今や100mの断崖となっている。
断崖の底面は海よりも下になっているが、島全体が花崗岩でできているので、海水がしみだすということはなく、断崖の下にたまっている水は全て雨水らしい。
その説明の中で聞いたのだが、芸人である千鳥の大悟は、北木島で育ったとのこと。
信号機が一つもなく、コンビニもない島で、どんな風に生きていたか気になる。
説明の後、数十メートル登り、石切り場を見る。
説明役のお爺さんがいたが、やる気はない。
高所恐怖症の私は、まともに下をのぞき込むことはできなかった。
そのことをお爺さんに悟られないよう必死にふるまう。
5分程度見て終了。
これで千円かぁ。
その後、歩いて旅客船乗り場に戻り、帰りは高速船に乗る。
島内で撮った写真は次のとおり。
半日ほど島内を歩き回って分かったが、北木島は「観光開発を諦めてしまった島」といった感じ。
とにかく不法投棄が多い。
車、冷蔵庫、バイク、自転車、空き缶・空き瓶などなど。
廃屋も多い。
民家だけでなく、石切りをしていたと思われる工場が島内のあちこちにあるが、ほとんどがボロボロになって廃墟と化している。
きっと石切りが全盛の頃はにぎやかだったのだろう。
栄枯盛衰。
盛者必衰。
この世の無常を感じつつ帰路についた。
(↓Youtubeのショートにも掲載してみた!)