名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊ネタバレと、市川崑版金田一シリーズの魅力

映画館で「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」を鑑賞。

『オリエント急行殺人事件』、『ナイル殺人事件』に続く、アガサ・クリスティ原作、ケネス・ブラナー監督・主演で贈る名探偵ポアロシリーズ最新作。

『オリエント急行殺人事件』、『ナイル殺人事件』はネット配信で鑑賞。

「オリエント急行殺人事件」は、1974年版が有名。
あまりにも有名なため、犯人を知った状態で観てしまったので、全然面白くなかった。
(ちなみに犯人はオリエント急行に乗客全員。)

「ナイル殺人事件」は、事前情報なしで鑑賞。
オリエント急行は列車内での事件であったが、ナイル殺人は船内。

婚約者を親友に奪われた女の物語。
ちなみに犯人は裏切って女を捨てたと思わせた婚約者。
なかなか、意外な犯人。

今回の「ベネチアの亡霊」は、洋館が舞台。
洋館に住む女は娘を自殺で失っていた。

その女は娘の魂を降臨させるため、霊媒師を呼ぶ。
ポアロは霊媒師のトリックを見破るため降霊会に参加する。

ポアロと霊媒師の対決の物語になると思いきや、前半で霊媒師は殺されてしまう。
解決に向け動き出すポアロ。

しかし、ポアロは調査中に幻覚・幻聴に襲われる。
霊的なものを一切信じないポアロは、論理的に推理し、遂に犯人を見つけ出す。

それは娘を失い、霊媒師に降霊を依頼した母親であった・・・。

意外といえば意外な犯人。
普通といえば普通の犯人。

『オリエント急行殺人事件』、『ナイル殺人事件』、『ベネチアの亡霊』ともに登場人物が多すぎのターハイ映画。

「この人って何ものだったっけ?」とたびたび思ってしまう。
恐らくは犯人が誰だか分からないようにキャラを多くしているのだろう。

小説の場合は、細かく各キャラの説明をすることができるが、映画の場合、小説を2時間に短縮するので、ターハイになると説明不足感がでてきてしまう。

観終わって思ったのは、ミステリー映画としては市川崑監督の金田一耕助シリーズの方が断然面白いということ。

横溝正史の原作自体に深みがあるし、そして市川監督が作り出す映像美が、実に見事にマッチしていて最高。

もし市川崑監督版の金田一シリーズを観ていない人は、今回紹介した名探偵ポアロではなく、金田一を観て欲しい。

「獄門島」が一番好きだが、やっぱり初心者は「犬神家の一族」ですな。
今観ても、何度観ても面白い市川版金田一シリーズ。
観たことがない人は、今夜必ず観るように。

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