映画『哀れなるものたち』レビュー:エマ・ストーンの過激な演技とセックスシーンが話題!衝撃のラストで賛否両論!【ネタバレあり】

昨日から公開の映画「哀れなるものたち」を鑑賞。
原題は「Poor Things」。
18禁のド変態エログロ胸クソ映画。

本作はイギリスのアラスター・グレイが1992年に発表した同名の小説を原作としている。

主演は「ラ・ラ・ランド」・「クルエラ」のエマ・ストーン。
監督は「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス。

エマは「女王陛下のお気に入り」にも出演しており、更に「哀れなるものたち」では、ヨルゴス監督とともにプロデューサーも務めている。

「哀れなるものたち」は、今年のゴールデングローブ賞の最優秀作品賞(ミュージカル/コメディ部門)及び最優秀主演女優賞を獲得している。

また、3月10日行われる米アカデミー賞の主要部門にも「哀れなるものたち」はノミネートされており、作品賞本命の「オッペンハイマー」の対抗馬とされている。

あらすじ(ネタバレあり)は次のとおり。

本作の舞台は19世紀後半のロンドン。
出産間近の女性(エマ・ストーン)が橋から飛び降り自殺する。

天才外科医で科学者のゴッドウィン・バクスターは、その女性の遺体を密かに揚収。
ゴッドウィンは死んだ母親の脳を取り出し、代わりに女性の体内にいた胎児の脳を女性の頭に入れる。

見た目は大人だが、知能は赤ん坊となったこの女を、ゴッドウィンは「ベラ」と名付けた。
ベラの知能は瞬く間に成長していく。

その成長を記録するためゴッドウィンはマックスという若い男を助手として雇う。
マックスはベラと接するうちにベラに恋心を抱く。

そのことを知ったゴッドウィンは、条件を承認すればベラと結婚させてもいいという。
その条件を書いた契約書を持った弁護士ダンカンがゴッドウィンの自宅を訪れる。

美しいベラに惚れたダンカンは、密かにベラと接触し、駆け落ちしようと持ちかける。
ベラはマックスとの結婚を承諾していたが、外の世界を知ってから結婚するとして、ダンカンと世界旅行の旅に出る。

社会的な常識が全くないベラは、行く先々でトラブルを起こしつつ、様々なことを学び、特にダンカンとの間でセックスの快感を知っていく。

ある旅先でベラは貧民街で幼児たちが死んでいく様子を見て、泣き崩れる。
ベラはダンカンの全財産をダンカンが酔いつぶれているときに盗み、貧民街の人々に渡すよう乗っていた豪華客船の船員に託す。

一文無しになったベラとダンカンは船を降ろされてしまう。
降ろされた先でベラは娼婦となって生計を立て始める。

娼婦の仕事に抵抗を感じないベラであったが、娼婦側からも男性を選ばせろなどといってトラブルを起こす。

それでも娼婦たちを取りまとめる老婆からなだめられ、娼婦を続けるベラ。
そのうちにゴッドウィンの容態悪化の知らせがベラに届く。

ベラはゴッドウィンの自宅に戻るとともにマックスとの結婚の約束を果たす。
結婚式当日、ベラの夫である将軍アルフィーが現れ、妻を返せと言い出す。

ベラは将軍に連れ去られ、将軍の大邸宅に軟禁される。
将軍は常に拳銃を持ち歩き、その拳銃で毎日のように使用人たちを脅すサディストであった。

ある日、将軍は薬でベラを眠らせて、ベラのクリトリスを切り落とそうと計画する。
それを知ったベラは抵抗し、薬の入ったグラスを将軍に浴びせ、将軍の方が眠ってしまう。

ベラは将軍をゴッドウィンの自宅に運び、将軍の脳をヤギの脳と入れ替えてしまう。
ヤギと化した将軍の横で、医者になると決めたベラが本を読んでいるところで映画は終わる。

やたらとセックスシーンが多い映画で、しかも主演のエマ・ストーンはオッパイ・アンダーヘア丸出し。
男性器にもモザイクがかかっていない。

ただし、描写のクオリティは高く、考え抜かれているだろう衣装と、CGによる背景設定により、独特の美しい世界観が構築されている。

映画が始まる前に、何故かAXA(保険会社)による「我社は社会での女性活躍を応援しています。」的なCMが流れて、不思議に思ったのだが、映画観終わって納得。

あらすじを読めば、なんとなく分かっていただけたと思うが、本作はフェミニズム・左翼思想の強い映画となっている。

純真無垢なベラは世界を旅する中で男女格差や社会格差の存在を知り、そこに強い疑問を抱きつつ、平等な社会を目指すべく成長していく。

ただ、社会の伝統・文化・習慣・常識から自由なベラの生き方が、本当に正しいのかは疑問である。

魅力的ではあるかもしれないが、歴史の流れを無視して生きられる、あるいは生きるべきであるというのは完全な驕りだ。

多くの人が私と同じ意見を思ったり、感じたりするだろうことは予想され、かなり賛否の別れる作品になることは確実。

特に将軍の脳をヤギの脳とすり替える行為は理解不能。
女性を蔑視する象徴として将軍というキャラクターを登場させているわけだが、さすがにヤギにしてしまうのはやり過ぎでしょ。

もちろん体当たりの芝居をしたエマ・ストーンがアカデミー賞で最優秀を獲得するのは間違いない。

気分が悪くなる方もいるだろうが、超がつくほど美しいエマ・ストーンの裸体を観たい方は是非鑑賞あれ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です