映画『サイレントラブ』ネタバレ:内田英治監督の意外な方向性と物語の結末まで解説!
今週から公開の映画「サイレントラブ」を鑑賞。
主演は山田涼介と浜辺美波。
監督は「ミッドナイトスワン」の内田英治。
目が見えなくなった女性ピアニストと口の聞けない男の恋の物語。
普段なら観ない内容の映画なのだが、監督が内田英治だったので鑑賞。
原案・脚本も内田監督。
しかし、残念ながら私が思う内田監督の映画にはなっていなかった。
あらすじ(ネタバレ有り)は次のとおり。
交通事故で視力を失った音大生・美夏(浜辺美波)は、失意の中、飛び降り自殺を図る。
たまたま居合わせた大学構内の清掃員である蒼(あおい(山田涼介))が美夏を救う。
ある日、蒼は誰もいない大学構内の部屋でピアノを弾く美夏を見かける。
美夏は視力を失い、苦しみながらもピアノを諦めきれなかった。
美夏の懸命な姿を見た蒼は美夏に恋心を抱き始める。
しかし、蒼は過去に喧嘩で喉を刺され、口がきけなくなっていたため、美夏に話しかけることはできなかった。
それでも蒼は毎日のように目の見えない美夏のサポートに務めた。
美夏は蒼のことを同じピアノ科の学生だと思い込み、いつか蒼のピアノを聞きたいと告げる。
そのころ、美夏と同じ大学の北村は裏カジノで借金を背負っていた。
蒼は北村に5万円払うから美夏の前で自分の代わりにピアノを弾いてくれと頼む。
金に困っていた北村は蒼の依頼を引き受ける。
そして北村のピアノに感動する美夏。
その嬉しそうな美夏の顔を見たいがために、蒼は夜の仕事を始めて金を作り、毎回5万円を北村に支払ってピアノを弾いてもらうのだった。
そのうちに北村も美夏を愛してしまう。
ある日、蒼の親友である中野が、蒼が北村に金を払っているところを目撃する。
中野は蒼が北村にゆすられていると勘違いしてしまう。
中野は知り合いの反社の男たちに北村に暴行を加えるよう依頼する。
反社の男たちは北村だけでなく、たまたま一緒にいた美夏までも拉致してしまう。
それを知った蒼は、北村と美夏が連れ去られた廃屋に飛んでいき、大乱闘となる。
乱闘の最後に美夏は廃屋にあった鉄棒を使って殴りかかる。
美夏は目が見えなかったため、誤って北村の頭部を殴打してしまう。
蒼は美夏の代わりとなって警察に捕まる。
それを機に蒼は美夏の前から姿を消す。
数年後、視力が戻りつつあった美夏は港湾労働者として働く蒼のもとを訪れる。
蒼は身を隠すが、蒼が美夏からもらったガムランボール(音の鳴る装飾品)の音が鳴り、美夏は蒼に駆け寄る。
そのときトラックが美夏の前に現れる。
衝突する寸前に蒼が助け、そのまま口づけを交わし映画は終わる。
私の中の内田監督映画というのは、バイオレンス描写や、セックスシーンの多い、前衛的で攻めた作品という印象があった。
今回観た「サイレントラブ」は超絶普通。
障害を持った男女の愛なんて、ありがち。
脚本も緻密さが感じられず、リアリティがない箇所も多々ある。
また、キザなシーンが多くあり、特にラストのキスシーンまでの流れは投げやりな感じさえあった。
前作の「異動辞令は音楽隊!」に続き、いい子ちゃんな内田監督の映画は観たくない。
どうしても「ミッドナイトスワン」の衝撃を期待してしまう。
ただ、憂いのある浜辺美波の顔は美しい。
そこだけが魅力の「サイレントラブ」。
今週は「哀れなるものたち」の方がお勧めです。