映画「SISU(シス)」ネタバレ:不屈の老兵がナチスの部隊との壮絶な戦い!北欧のアクション映画に感動

映画「SISU(シス)」を鑑賞。
北欧の国フィンランドの作品。

SISUとは、フィンランドで「不屈の精神」を意味する。
その魂を持った不死身の老兵がナチスの部隊を殲滅する痛快アクション映画。

本作品の舞台は第二次世界大戦末期(1944年)のフィンランド。

作品内では語られないが、当時のフィンランドはドイツと戦闘状態であった。
元々フィンランドはソ連と戦争をしていて、ドイツと連合を組んでいた。

しかし、フィンランドはソ連に負け、フィンランド内からのドイツ軍の追放が講和の条件としてソ連から示される。

怒ったヒトラーは、焦土作戦を行いながらドイツ軍をフィンランドから撤退させる。
「SISU」では、その撤退中の戦闘が描かれる。

体中に傷跡を持つ老兵アアタミ・コルピは、フィンランドの荒野で、いくつもの穴を掘り、金を採掘していた。

かつてコルピはフィンランド軍に所属し、一人でソ連兵を300人も殺した伝説の男であった。

しかし、家族をソ連軍に殺された怒りが収まらず、制御不能となったコルピは軍から追放されてしまい、今は一人で金を見つけることに没頭していた。

金脈を掘り当てたコルピは、大量の金を袋に詰めて街に向かう。
その途中、撤退中のドイツ軍の小さな部隊と出くわす。

ドイツ軍はコルピを呼び止め、持っていた金塊を奪おうとする。
しかし、コルピの反撃により全滅。

これに気づいた他のドイツ軍部隊がコルピを追う。
なんとかコルピを追い詰めたドイツ軍は、金塊を奪い、ロープを使ってコルピを絞首刑にする。

しかし、不死身のコルピは復活。
ドイツ軍から受けた傷を火で消毒し、針金で塞ぐ。

そこに偶然降りてきたドイツ軍の戦闘機を奪い、コルピは金塊を奪った部隊へ復讐に向かう。

コルピの主力武器は金塊発掘に使っていたツルハシ。
そのツルハシを使ってコルピはドイツ軍を皆殺しにしていく。

ドイツ軍の最後の一人が、戦闘機で離陸しようとしたところ、コルピはツルハシをひっかけて乗り込む。
飛行しながら、ツルハシで戦闘機に穴を開けて機内に乗り込み、最後の一人を殺して金塊を取り戻す。

しかし、戦闘機は飛行不能となり墜落してしまう。
それでもコルピは死なず。

ボロボロになりながら、金塊の換金所までたどり着いたところで映画は終わる。

超絶バカバカしい映画なのだが、そのバカバカしさが突き抜けていて最高に面白い。
「出る杭は打たれる。しかし、出過ぎた杭は打たれない。」といった感じ。

どんなに打ちのめされても、どん底に落ち込んでも、決して諦めない老兵コルピ。

コルピほどではないが、私も人生で「もはやこれまで。」と思った場面がいくつかあったが、そのたびに「男一人、タタミ一畳あればいい」と思って乗り越えてきた。

しかし、これからは、「ツルハシ一本あればいい」と考えることにしよう。

とにかく観ていて燃えてくる映画。

そして映画を観終わって、小説家の三島由紀夫の言葉を思い出した。

「男の肉体は、その本然の性質と機能によって、人を否応なしに行動の河へ連れていく。男である以上、どうしてもこの河の誘惑に勝つことはできない。」

三島は「行動」といったが、「戦い」と置き換えてもいいと思う。

男は戦いを愛し、女は戦う男を愛する。
そんな根源的な本能を呼び覚ます映画「SISU」。

上映時間は90分と短く、そこがまたいい。
テンポも早く、観客の燃えてくる魂が最後まで冷めることはない。

今週末どころか、今年のお勧め映画の一本であること間違いなし。
観るべし。

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