映画「そして僕は途方にくれる」のネタバレ解説!裕一の波乱万丈な逃避行とクズ父親の衝撃のセリフ

本作「そして僕は途方にくれる」の主人公は、フリーターでクズの裕一。
この裕一が、あらゆる人間関係から逃げていく物語。

本作品のキャッチコピーは、「共感と反感の120分! 現実逃避型エンタテイメント!」。
現実逃避型ってのにシビれた。

裕一は彼女のアパートで暮らしているにも関わらず、家のことは何もしない。
しかも浮気をして、バレる。
彼女に問い詰められた裕一は、突然、荷物をまとめて逃避行開始。

その後、裕一は親友の家に転がり込む。
そこでも裕一は自堕落な生活を始め、我が家のように振る舞う。

遂に親友は激怒。
怒鳴られている最中に、またも逃げ出す。

その後、裕一は、職場の先輩、姉、実家と転々とするも、最終的には怒られては逃げ出す。
道端で途方にくれているところで、ばったり父親と出会う。
この父親もクズ。

裕一の母と離婚し、別の女性と再婚するも、すぐに浮気がバレて離婚。
現在は借りた金を返せず、住まいを変えての逃避行中。

仕方なく、裕一は、この父親のアパートに住むこととなる。
そんな中、母親が病院に運ばれた連絡を受ける。

急いで実家に戻ると、そこには彼女、親友、姉も集まっていた。
超気まずい状況となった裕一は・・・。

本作品はロードムービー形式になっている。
逃避行を続けているうちに、少しずつ裕一は成長していく。

最後に出会うクズの父親(豊川悦司)がキーマンとなる。
父親の登場で、この映画が、俄然、面白くなっていく。

この父親の次の台詞が、観客の心をとらえる。

『父親としてお前に言っておく。逃げて、逃げて、逃げ続けろ。それでどうしようもなく怖くなったら、映画の主人公にでもなったつもりで、こう思うんだよ。「面白くなってきやがったぜ」。これで全てが解決する。』

メチャクチャな論理だが、妙に説得力がある。

この映画自体が、この父親の台詞の形式になっていて、最後はアンハッピーで終わる。
ただし、後味の悪いアンハッピーではない。かなりおすすめ。

ちなみに、私くらいの年代において「そして僕は途方にくれる」といえば大沢誉志幸(現在は「大澤」)。
1984年のヒット曲。

観る前は、歌と映画は関係がないと思っていたが、エンディングで流れる。
そういえば、別れの曲だし、映画と関係があるといえば関係がある。

私の好きな歌の一つ。
映画ファンだけでなく、大沢誉志幸ファンにも是非観て欲しい。

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