『窓ぎわのトットちゃん』ネタバレ:感動の友情と波乱の結末、映画のテーマに迫る

今週から公開の「公開のアニメ映画「窓ぎわのトットちゃん」を鑑賞。
言わずと知れた黒柳徹子のベストセラー小説が原作。

「トットちゃん」とは黒柳徹子のことであるが、当時の黒柳さんは舌足らずで「徹子(てつこ)」を「トット」と発音していたことにちなんでいる。

本作は黒柳さんが小学生の頃に通った「トモエ学園」での出来事に基づく物語で、完全なノンフィクション作品。

映画の舞台は東京の自由が丘。
時代は第二次世界大戦末期。

映画は超がつくほどのおてんばなトットちゃんが、通っていた小学校を退学させられ、トモエ学園へ転校するところから始まる。

トモエ学園は各児童の個性・適性を重視する自由な学校だった。
特に小林校長は園内に電車の教室を作るなど、ユニークな発想の持ち主。

トモエ学園と小林先生を大好きになっていくトットちゃん。
そこでトットちゃんは、小児麻痺で、左手と右足が動かない泰明(やすあき)ちゃんと出会う。

皆と一緒に外で遊びまわれない泰明ちゃんは、専ら教室で本を読んでいた。
ある休みの日、トットちゃんは泰明ちゃんを木登りに挑戦させる。

ハシゴを使ってみるが、途中で倒れてしまう。
それでもトットちゃんは諦めずに脚立を探し出す。
なんとか登りきり、初めての木の上からの景色に感動する泰明ちゃん。

また、学校のプールの時間に、いつも見学をしている泰明ちゃんをトットちゃんんはプールに入れる。

水の中では体が軽くなり、障害のある体でも自由に動き回れる状況に泰明ちゃんは感動する。

その他、様々な学校での体験を重ねていきながら、トットちゃんと泰明ちゃんの友情は深まっていく。

一方、時代は戦争が末期に近づき、国中が貧困に陥っていく。
そんな中、突然、泰明ちゃんの訃報が届く。(死因不明)

その後も戦況は苦しくなっていき、黒柳一家は青森に疎開する。
そして、トモエ学園は空襲により破壊されてしまう。

小林校長が焼かれていくトモエ学園の前で再起に燃えるところで映画は終わる。

映画の冒頭とラストのナレーションは黒柳徹子。
その他、小栗旬、役所広司、杏など、豪華俳優陣が声優を担当している。

ジーンとくるシーンもあるが、映画のテーマが分かりづらい。
反戦でもない。

原作は読んでいないので断言できないが、恐らく原作はトモエ学園と小林校長の素晴らしさが書かれていると思われるが、今回鑑賞した映画版は泰明ちゃんのエピソードが中心になっている。

泰明ちゃんとの出会いと別れの話がダメというわけではないが、現代日本の画一的な教育への批判として描いた方がよかったような気がする。

原作は大ヒットしたが、映画版の興行収入は期待できそうにない。
残念。

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