「ある閉ざされた雪の山荘で」映画レビュー:ネタバレあり!東野圭吾原作に期待外れ、突っ込みどころ満載の展開【注意】

映画「ある閉ざされた雪の山荘で」を鑑賞。
日本で最も有名なミステリー作家の一人である東野圭吾が書いた同名小説が原作。
ただし、原作は今から30年前、東野圭吾が若いころに書いた作品。

ちなみに東野圭吾の著作は国内累計発行部数が1億部を突破しているらしい。
1億部って凄いな。

東野圭吾の小説を読んだことはないが、名前は当然知っているので、楽しみに鑑賞をスタート。

しかし、残念なことに残念な映画だった。
原作を改変したせいだと思ったが、原作を読んだ人の映画レビューによると、ほぼ原作どおりに作られているらしい。

原作がつまらないのか、映画化が上手くいっていないのか分からないが、とにかく突っ込みどころが多すぎ。

あらすじ(ネタバレあり)は次のとおり。

超有名劇団「水滸」の次回作の主役を決めるため、役者7人が集められる。
7人のうち、6人は水滸の団員。

参加メンバーのうち3人は女性で水滸の団員であったが、互いにライバルであることから衝突することも多かった。

7人は目隠しされた状態でバスに乗せられ、到着すると大きな貸別荘があった。

貸別荘に入ると水滸の演出家である東郷からのメッセージが壁に投影される。
メッセージによると山荘の周辺は大雪で囲まれて孤立したものと「想定」し、その中で起こる殺人事件の犯人を探し当てたものを主役にするというものであった。

期間は四日間。
外部と連絡を取ったものは落選。

1日1人のペースで3名が殺される。
死体は見つからないが、演出家による芝居なのか、本当の殺人なのか分からなくなっていく。

その混乱の中で、水滸の元メンバーである麻倉雅美の事故の話が明るみになる。
雅美は天才的な演技力の持ち主であったが、今回の選考の前の段階のオーディションで落とされていた。

雅美はショックで芝居を辞めて、実家に戻っていた。
今回の貸別荘での選考の直前、殺された3名は雅美を復帰させようと雅美の実家を訪ねていた。

しかし、喧嘩別れしてしまう。
3名が車で帰る途中、雅美に電話し、嫌がらせで大事故をしてしまったとウソをつく。
雅美は、そのウソを外で聞き、驚きで体が一瞬止まる。

そこに車が突っ込み、雅美は半身不随になってしまう。
芝居ができなくなった雅美は3人を殺したいほど憎むようになっていた。

貸別荘での選考は最終日を迎え、残された4人が帰ろうとしたところ、水滸の団員ではなかった久我が、真犯人を暴く。

殺人の犯人は残った者のうちの一人である本多であった。
本多は雅美の恨みを晴らすために、雅美に代わって3人を殺したのであった。

しかも雅美は貸別荘の隠し部屋の中に潜み、本多の殺しを見ていたのであった。
隠し部屋から車いすに乗って出てきた雅美に対し、久我は更なる真実を告げる。

殺されたはずの3人が雅美の前に現れ、雅美に謝罪する。
殺人は本多が仕組んだ狂言殺人であった。

久我は事件の全容を説明。
雅美は絶句し、ナイフを取り出して自殺を図る。

寸前のところで本多が雅美のナイフを取り上げる。
その直後、画面が貸別荘から舞台の上に切り替わる。

貸別荘での事件を久我が舞台劇として脚本を作ったのだった。
半身不随になる役を半身不随の雅美が演じ、観客から拍手に包まれるところで映画は終わる。

しょうもな。

ミステリーものって、犯人が分かるところが映画の山場なのに、犯人が分かっても全く驚かない。

冒頭にも書いたとおり、突っ込みどころが多すぎ。

・目隠しして集める意味が不明

・殺人事件を解決することと主役に抜擢することの関係が理解不能

・雅美が交通事故にあったのは3人のせいではなく、単なる雅美の不注意(殺人の動機としては不十分)

・雅美が恨むとしても、電話をかけた1人を恨むはずなのに殺人の対象を3人にする理由が不明

・本多の狂言殺人が成功したとしても、いずれバレることは確実

・久我の推理能力の高さの背景要因が描かれていない(元刑事・探偵という設定にすればよかったのでは?)

・雅美をだますことが目的ならば、7人全員がグルの方が確実

私は映画のラストで雅美が車いすから立ち上がると予想していた。
つまり、雅美の事故も演出家の東郷が仕組んだ嘘で、久我を水滸に入れるテストであったというオチの方がよかったような気がする。

とにかく「東野圭吾」の名前につられて本作を観ることがないように注意。

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