映画「アナログ」のネタバレと感想:泣けなかった感想とタイトルの問題について

映画館で「アナログ」を鑑賞。
元々はスルーする予定の映画だったのだが、私がよく見ているミステリー作家でYoutuberの七尾与史さんが推していたので観ることとした。

残念ながら残念な映画だった。
後半はお涙頂戴シーンが続くが、全くお涙頂戴されず。

ビートたけしが書いた同名小説が原作。
主演は二宮和也と波留。

建築デザイナーの悟(二宮和也)は、自身がデザインを手がけた「Piano」という喫茶店でコーヒーを飲んでいるときにミユキ(波留)と出会う。

ミユキに一目ぼれした悟はミユキに会うためPianoに通う。
なんとかミユキと話ができる仲になり、悟はミユキの連絡先を聞く。

ところがミユキは携帯電話を持っていないという。
そこで、毎週木曜日にPianoで落ち合う約束をする。

二人の距離は縮まっていき、プロポーズを決意する悟。
しかし、プロポーズをしようとした日を境にミユキはPianoに現れなくなってしまう。

フラれたと思った悟は職場を大阪に移す。

一年後、悟の親友が大阪を訪れ、ミユキが有名な天才バイオリニストであったことを悟に知らせる。

かつてミユキはドイツで音楽活動を行い、ドイツ人のピアニストと結婚していた。
しかし、そのピアニストは病死してしまう。

ミハルは失意の中、音楽を捨て日本に戻っていたのだった。
そんな状況の中、ミハルは悟と出会い、徐々に生きる希望を見出し、ミハルも悟とともに生きることを決めていた。

ところが、悟がプロポーズしようとした日に交通事故に遭い、脳が損傷して一切の会話ができない状態になっていた。

ミハルを見つけ出した悟は介護を申し出る。
当初は断れるも、会うことをやめない悟。

ある日、悟は過去に二人で行った海にミハルを連れていく。
帰り際に車いすに乗ったミハルの手がほんの少し動き、小さな声で「木曜日・・・」と語ったところで映画は終わる。

前半の純愛ドラマは、それなりに面白かったのだが、後半がイマイチ。
「ヒロインが交通事故で重体」なんてストーリーは意外性に欠けるし、安易だし、どこかズルい感じがする。
いわゆる感動ポルノ映画。
しかも感動しないし。

そもそも映画のタイトルである「アナログ」という単語とストーリーがマッチしていない。
アナログという言葉はデジタルの対義語(厳密には違う)で、ゼロイチのデジタルに対し、「連続」という意味がある。

主人公の悟はパソコンを使わず、鉛筆や筆でデザイン画を描き、模型も作る。
ミハルとの交流も一切のデジタル機器を使わないものであった。

この部分をもっと強調して、現代のデジタル依存社会に対する警鐘を鳴らす形の方が面白くなったと思うが、ミハルの悲劇が強すぎて「アナログ」という部分が薄くなってしまった。

映画のタイトルは「アナログ」ではなく、「木曜日」の方がよかった気がする。

とにかく泣ける映画だと思って観に行ったのに、泣けなかったのは残念至極。
二宮和也主演だったら「浅田家!」の方が断然泣けるので、こちらの方がお勧めです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です