映画「ゴールド・ボーイ」ネタバレあり:胸糞最悪な結末とサイコパス中学生の狂気!
昨日から公開の映画「ゴールド・ボーイ」を鑑賞。
監督は金子修介。
クライムサスペンス映画。
中国のベストセラー作家・紫金陳(ズー・ジンチェン)の 「坏小孩」 (悪童たち)という小説が原作。
中国では既にドラマ化されているらしい。
評価は2.0点。(5点満点)
超絶な胸クソ映画。
絶賛している人も多いが、狂ってる。
こんなもの日本で映画化するな。
本作は偶然にも殺人現場をカメラに写してしまった中学生3人が、殺人を犯した男に金を要求していく物語。
金を要求した後も、色々と殺人が行われるが、最後に真の黒幕が判明する。
オチが胸クソ。
こんなにも鑑賞後感が悪い映画は珍しい。
以下、ネタバレあらすじ。
<ネタバレ>
社長夫婦と義理の息子である東昇(ひがし のぼる 岡田 将生)は、かつて夫婦がプロポーズした高い岬に行く。
記念撮影をしようと昇は夫婦を岬の突端に立たせると、昇は夫婦を突き落として殺害する。
昇は警察に対して、記念撮影をしていたところ、義父が服用している薬により倒れ込み、妻もろとも落下したと説明。事故死扱いとなった。
一方、その岬から離れた場所にあった砂浜で、中学生3人が偶然にも昇の殺害場面を録画してしまう。
その中学生の一人である朝陽(あさひ 羽村仁成)は、ニュースで犯人が大企業の社長の娘と結婚した昇であることを知る。
朝陽たち3人は昇と接触し、6千万円を要求。
昇は婿養子であったため、すぐに金は用意できないから待ってくれという。
後日、今度は昇の妻が交通事故で亡くなる。
妻が亡くなった日、昇は出張中でありアリバイ成立。
これで莫大な遺産は昇のものとなった。
不審に思った朝陽は昇に、どうやって殺したのか問い詰める。
昇によると妻が普段飲んでいるサプリのカプセルの中に覚せい剤を入れたカプセルを入れ、二重構造にすることにより遅れて作用するように仕組んだという。
昇が殺害用の薬を手に入れられることを知った朝陽は、金の要求を止めて代わりに離婚して別居している父と父の現在の妻を殺害して欲しいと依頼する。
離婚した父には娘がいて、その娘と朝陽は同級生であったが、先日、その娘は自殺していた。
そして自殺した娘の母親は、朝陽が殺したのではと疑っていた。
朝陽の殺害目的は、自分と母親を苦しめた復讐だという。
それを聞いた昇は薬の調達と遺体の処理は手伝うが、殺害は自分でやれという。
朝陽は条件を承諾する。
しかし、朝陽と行動をともにしていた女子中学生の夏月(なつき)は、自分が殺し、朝陽はアリバイ工作のため、学校にいて欲しいと言い出す。
夏月は朝陽と出会う直前、義理の父親からレイプされそうになったところで、包丁で義父の腹を刺した後、家を飛び出していた。
家出した夏月は中学生の兄とともに友人である朝陽を訪ね、その後、朝陽と行動をともにしていた。
3人で行動するうちに夏月は朝陽のことを心から愛してしまう。
夏月の計画通りに朝陽は学校に行き、そのうちに昇、夏月、夏月の兄の3人は自殺した娘の墓の前で朝陽の父たちを待ち伏せする。
朝陽の父と父の妻が現れると夏月と兄は声をかけて火を借りる。
そのお礼として毒入りの餅を食わせて二人を殺す。
その後3人は、あらかじめ掘っていた穴に二人を投げ入れて埋める。
後日、朝陽たち3人は昇の自宅に集まり、昇の殺害現場の動画が入ったファイルを渡す。
すると昇はスマホを取り出し、密かに撮影しておいた夏月たちが毒入りの餅を食わせて殺害する動画を見せる。
これで昇と中学生3人の関係は対等となった。
最後に4人で食事をしていると、中学生3人は苦しみだし絶命する。
笑顔を浮かべて外を眺める昇。
ところが、昇は死んだふりをしていた朝陽に後ろから首を刺され、昇も死んでしまう。
朝陽は昇が薬で自分たちを殺すことを予想していた。
朝陽は全ての犯行を昇と夏月たちに被せ、自分は事件に巻き込まれた被害者であると偽装。
そして自殺した同級生の娘も、実は朝陽が殺していた。
フラれた腹いせであった。
自殺ではなく殺されたことに感づいていた娘の母を口封じのために夏月たちに殺させたのだった。
全てが朝陽の思惑通りになったと思われたが、数日後、死んだ夏月が死ぬ直前に出した手紙が朝陽の自宅に届く。
それは夏月から朝陽あてのラブレターだったが、朝陽がアリバイ工作のために書いていた日記がデタラメであることなどが書かれていた。
その手紙を朝陽より先に読んだ朝陽の母親は朝陽に手紙の真偽を問う。
すると朝陽は包丁を手に取り、自分が殺したのは同級生の娘と昇だけだと犯行を認めつつ、母を殺そうとする。
しかし、朝陽は母親は警察に連絡しないだろうと思い、殺害をやめ、外に買い物に出かける。
ところが母親は朝陽との会話をスマホを通して警察に連絡していた。
鼻歌を歌いながら楽しそうに歩く朝陽の前に警察が現れたところで映画は終わる。
<ネタバレここまで>
単なるサイコパス殺人者による胸クソ映画。
サイコパスが昇の一人だけならまだしも、中学生の朝陽もサイコパス。
二人とも自分の欲望のままに邪魔者を殺しているだけ。
だから物語に深みがない。
かつて市川崑監督が撮った推理探偵映画「金田一耕助」シリーズの犯罪者は、全て深い愛情が犯行の要因となっていた。
そこに市川監督の映像美が加わったため傑作映画となった。
一方、犯行の動機は全く容認できるものではなく、下品極まりないクソ映画だった。
中国人が書いた小説が原作なんだから、中国国内だけでやってろ。
日本で実写化なんてするな。
そもそもストーリーが強引すぎる。
殺人現場を収めた動画で中学生が犯人から金を要求するなんてありえないし、100%警察に通報する。
更に納得できないのは、夏月が朝陽に代わって、朝陽の父たちを殺すところ。
いくら愛しているからと言って、罪もない人を中学生の女の子が簡単に殺すっておかしいだろ。
朝陽の父が超がつく極悪人で、朝陽と朝陽の母を死ぬほど苦しめたなら分かるが、いたって普通の人だよ。
これを餅を食わせて殺すなんて、夏月もサイコパスだろ。
夏月が朝陽のことを愛しているなら、殺人を止めるのが普通でしょ。
中国の中学生ならこんなことをする奴もいるのかもしれないが、日本にはいません。
他の人のレビューを見ると、最後の黒幕が中学生の朝陽であったことに衝撃を受けたという人が多いが、かなり多くの人が最後の大どんでん返しを予想していたと思う。
私もその一人で、朝陽が死んだふりをして生き返って昇を殺すシーンは、「やっぱりね」という感じだった。
「予想をいい意味で裏切られた!」なんてレビューもあったが、どこが「いい意味」なんだよ。悪い意味しかないよ。
こんな映画を絶賛している人こそサイコパスだろ。
とにかく絶賛するのやめろ。
さっさと上映中止にしろ。
そういえばタイトルの映画を観終わっても「ゴールド・ボーイ」の意味が分からなかった。
誰か教えて。
おまけに言わせてもらうと、エンディングで流れた倖田來未の曲が、映画のイメージと全然合っていない。
エンドロールの後にパート2を製作するようなことをほのめかす映像が流れるが、絶対に観に行かない。
まぁ、客もあまり入っていなかったし、パート2が作られることはないだろう。
今週末は「DOGMAN ドッグマン」をお勧めする。
概ね同じ感想でした。
中学生が殺人に手を出すほどの動機じゃなかったし、サイコパスといえば何しても許されるというのは、なんか作品として成り立ってない気がします。ゾンビ映画と変わらないレベル。
とは言えこの映画は原作のうちのちょっとした昔話程度の内容なので、そこまでしっかり読む、見る話でもないんでしょうね。
コメントありがとうございました! 同意いただきうれしいです!