ネタバレ入り 映画「ゆとりですがなにか インターナショナル」レビュー:笑いあり、社会派の一面も

映画「ゆとりですがなにか インターナショナル」は2016年にテレビドラマで放送されたものの映画バージョン。

脚本は宮藤官九郎。
主演は岡田将生。

ゆとり世代(アラサー)の男女が繰り広げるドタバタコメディー。
テレビドラマシリーズは見ていないが、なんとかなるだろうと鑑賞。

出演者が多いせいか、各キャラの説明も含んだ形でゴチャゴチャしながら物語が進むが、分かりづらくはなっていない。

映画のあらすじは次のとおり。

実家の酒造会社「坂間酒造」の営業を担当する坂間正和(岡田将生)。
この坂間酒造に知人で中国での起業に失敗した道上まりぶ(柳楽優弥)が訪れ、雇って欲しいと依頼する。

日本酒造りの繁忙期に入るため、住み込みという条件でまりぶを雇うこととなる。

ところが、取引先の食品会社「みんみんホールディングス」が韓国企業に乗っ取られ、「辛心食品」になり、それを契機に、辛心食品は坂間酒造との契約を打ち切ると言い出す。

正和は辛心食品の日本担当幹部であるチェ・シネ(木南春夏)に契約延長を懇願する。
チェは日本酒造りをマッコリに変えるか、若しくはノンアルコールの日本酒を作り出せれば契約するという条件を出す。

その後、ノンアルコールの日本酒を造るべく、奮闘する坂間酒造。
ある日、坂間は製造の期限を延ばしてほしいとチェに頼み込む。

当然断られるが、坂間は飲酒での勝負を申し出る。
チェは坂間酒造の日本酒。
正和はマッコリ。

日本酒の方がアルコール度数は高いが、受けて立つチェ。
酒に弱い正和がベロベロに酔ったところ、チェが飲んでいた日本酒の一升瓶のラベルが剥がされ、実はノンアルコールの日本酒だったことが明かされる。

契約を約束するチェ。
しかし、泥酔した正和は気が付くと何故か友人の山路の元恋人の家にいた。

急いで逃げ出す正和。
その日から正和は不倫をしてしまったと悩み続ける。

あるとき、正和が実家の坂間酒造に戻ると、関係者が全てそろっていた。
実は中国の動画サイトで坂間酒造のドタバタ劇が大人気となっていた。

これは密かに道上まりぶが盗撮したもので、まりぶは逃亡していた。

その中で、不倫疑惑が正和の妻である茜(安藤サクラ)にバレてしまう。
正和・茜・山路の三人で、正和が泥酔の上、不倫したとする日のことを思い出しながら、当日の現場に行ってみる。

徐々に記憶を取り戻し、不倫ではなかったことが判明。
それどころか正和が茜のことを深く愛していたことも分かっていく。

めでたしと思ったところだったが、今も中国の動画サイトに坂間酒造の内部映像動画が投稿され続けていた。

まりぶが坂間酒造から逃げ出す直前に正和の死んだ父の仏壇の中にカメラを仕込んでいたのだった。

仏壇の父に向って、いろいろなことを語り、告白する姿が映し出されながら映画は終了。

下らない映画だが、ケタケタ笑える映画にはなっている。
喜劇って難しいと思うが、絶対必要だと思う。

恋人と初めて映画を観るなら、喜劇が無難だと思うので、本作品は丁度いい。
また、アダルトなシーンやセリフがあるが、R指定にはなっていないので子供と観るのもいいかもしれない。

基本はコメディだが、Z世代との確執や、働き方改革、ハラスメント、LGBTの問題も密かにもぐこんでおり、意外に社会派の一面もある。

今週映画館で観るなら、岩井俊二の気取った3時間映画よりはお勧めだと思う。

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