『バーナデット ママは行方不明』ネタバレと心理学的解釈:トラウマからの再生物語

映画「バーナデット ママは行方不明」を鑑賞。
「元」天才女性建築家のバーナデットの再起の物語。

バーナデットは中学生の娘「ビー」も持ち、家族三人で生活するも、極度の人嫌い。
ママ友ともトラブル続き。

ある日、バーナデットの娘のビーが中学の卒業記念に南極に行きたいといいだす。
承諾するバーナデットと夫。

しかし、バーナデットが精神的に病んでいく姿を見た夫は、南極へは娘と二人で行き、バーナデットには精神病院に入院してもらうこととなった。

承服できないバーナデットは、家を飛び出す。

そもそもバーナデットが建築を辞めてしまったのは、過去の仕事でのトラブルであった。

そのトラブルがトラウマとなって、人とうまくいかないと思い込んでいたが、実際はバーナデットが持つ偉大な創造力を使っていないことが原因だった。

そのことに気づいたバーナデットは、家族と南極に行くことを決意。

当初、人嫌いのバーナデットは理由をつけて南極旅行をキャンセルするつもりだったが、一人で南極へ向かう。

そのことを知った夫と娘はバーナデットの後を追う。

南極に着いたバーナデットは、船内で南極の研究者と出会い、南極点にある基地に行きたいと思い始める。

観光客は南極点の基地には許可がなければ入れなかったが、なんとかもぐりこんで基地での生活を始める。

そして、その基地での生活を通じてバーナデットは基地の再建築の事業を構想し始めるのだった。

この映画を観て、心理学者アドラーの「トラウマなんかない」という言葉が思い出された。

アドラー先生によれば、トラウマをトラウマにしているのは、その人自身。
アドラー曰く、自分の人生の行き詰まりをトラウマのせいにしてはならない。

過去に強いショックを与えた出来事は誰にでもあるだろう。
しかし、そのショックを乗り越えて前に進む人と、いつまでもそのことにこだわり続けてしまう人がいる。

過去の呪縛から解き放たれたバーナデットの快活な姿は、なかなかの感動。
地味な映画なので、強くお勧めはしないが、映画らしい映画。
人生に行き詰っている人が観るといいかもしれない。

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