「翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて」ネタバレ解説:笑いと独創性が詰まった喜劇の続編
令和5年11月24日(金)
映画「翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて」を鑑賞。
本作は2019年に公開された「翔んで埼玉」の続編。
魔夜 峰央の同名漫画が原作の喜劇映画。
主演はGACKT。
前作で東京への通行手形の制度が撤廃されたため、埼玉県民は自由に東京へ行き来していた。
しかし、浦和、大宮、川口、など埼玉県民は横の地域との仲は悪く、バラバラであった。
そこで埼玉解放戦線のリーダーである麻実 麗(GACKT)は、埼玉に海を作ることにより埼玉県民の心を一つにすると宣言する。
美しい砂浜を作るため、麗たち埼玉解放戦線のメンバーは船に乗って和歌山の白浜を目指す。
ところが、途中で難破してしまい、気が付くと麗は白浜に漂着していた。
目が覚めると目の前には滋賀解放戦線の桔梗 魁(杏)がいた。
お互いに何か運命的なものを感じる。
白浜では滋賀、奈良、和歌山県民が大阪、京都、神戸の人々の奴隷となっていた。
そして麗以外の埼玉解放戦線メンバーたちは大阪府民たちに捕らえられ、甲子園の地下で強制労働させられていた。
救助に向かう麗と魁であったが、麗は捕らえられ、タコ焼きとお好み焼きを無理やり口に詰め込まれてしまう。
牢に投げ込まれた麗は、いつのまにか口調が大阪弁になっていた。
麗が食べたお好み焼きの小麦粉には、人を大阪人にしてしまう成分が入っていたのだ。
そして甲子園の地下には、大量の小麦粉を作る製造工場があり、そこで滋賀、奈良、和歌山県民は働かされていた。
仲間の助けにより、麗は甲子園を脱出。
麗は滋賀に向かい、魁が率いる滋賀解放戦線のメンバーに琵琶湖から淀川に流れる水を止めようと呼びかける。
淀川の水を止めれば、小麦粉を作ることができなくなる代わりに、滋賀が水で沈んでしまう。
反対する滋賀県民であったが、魁が説得し、淀川への水は止められる。
それに気づいた大阪府知事(片岡愛之助)は麗と魁がいる琵琶湖に攻め込む。
お互いが相対し、最後は有名人出身地対決となる。
互角の勝負が続く中、大阪府知事は大阪に戻り、隠していたミサイルの発射ボタンを押す。
するとミサイルとなった通天閣が発射され、関東に向かって飛び立つ。
通天閣の中には大量の小麦粉がセットされていた。
このままでは関東の住民が全員大阪人になってしまう。
ところが、関東から発射された迎撃ミサイルに撃ち落されてしまう。
その迎撃ミサイルは埼玉に唯一あった観光用タワーである「行田タワー」であった。
それを切っ掛けに、大阪府知事と京都市長(川崎麻世)と神戸市長(藤原紀香)は警察に連行される。
そして、通行手形は撤廃され、近畿地方に平和と平等が戻り、麗たちは無事に和歌山の白浜の砂を埼玉に持ち帰るのだった。
前作と同様、麗たちの世界は車の中から流れるラジオドラマとして描かれ、そのラジオを聴いている家族のミニドラマも同時並行して進行していく。
超絶バカバカしい映画だが、ちゃんと声に出して笑える映画となっている。
すべっていない。
有名俳優たちが揃いもそろって、このバカバカしい芝居を超真面目にやっているところも好感が持てる。
2作目ということで1作目ほどのインパクトには欠けるが、1作目と同レベル若しくは1作目以上のギャグの強さになっている。
喜劇映画であり、お気楽に観る映画だが、作る方は相当考え抜いて撮影したのだと思う。
本作では埼玉と滋賀を滅茶苦茶にバカにするのだが、観終わると何故か埼玉と滋賀に行ってみたくなるから不思議。
特に行田タワーには死ぬまでに一度は行くことにしよう。
ストーリーとは関係ないが、ラジオを聞く奥さん役の和久井映見の激太り加減に驚いた。
最初は和久井映見って分からなかった。。。
一方、和久井と同年齢の藤原紀香(京都市長役)はメチャクチャ美しい。
ご存じのとおり、大阪府知事役の片岡愛之助は藤原紀香の夫。
夫婦で夫婦役をやっているところも見どころの一つ。
ヒットするかどうかは分からないが、ヒットしたら、是非、次は九州を舞台に三作目を作って欲しい。
昨日観た北野武監督の「首」も面白かったが、グロがだめな人は「翔んで埼玉」を鑑賞あれ。